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FOOD & LIFE COMPANIES「スシロー」に学ぶ事業設計

FOOD & LIFE COMPANIESは、回転すし「スシロー」を国内外で展開し、2025年9月期に売上収益429,574百万円(前期比19.0%増)、営業利益36,093百万円(同54.4%増)を計上しました。すし専門店チェーンの構造を一次資料で読みます。

この事例の要点

  • 株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの2025年9月期は、売上収益429,574百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益36,093百万円(同54.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益22,937百万円(同56.7%増)で、売上利益ともに過去最高と説明しています(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。
  • 国内外の店舗数は期末で1,198店舗(前期末1,155店舗)、うち海外スシローブランドは55店舗を出店して227店舗になりました(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。
  • 海外スシロー事業の売上収益は131,422百万円(同42.6%増)、セグメント利益は16,324百万円(同126.9%増)でした(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。

どんな事業か

FOOD & LIFE COMPANIESは、商品開発、店内調理、安心・安全の取り組み、サービスの向上に取り組んでいると説明しています。セグメントは国内スシロー事業、海外スシロー事業、京樽事業、国内杉玉事業からなります。期末の国内店舗数は、スシローブランド667店舗、杉玉ブランド(FC)95店舗、京樽ブランド100店舗などの合計964店舗、海外はスシローブランド227店舗を含む234店舗です(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。

国内スシロー事業は、「すしに真っすぐ!」をテーマに商品提供とキャンペーンを一年を通じて実施しました。夏休み期間の「年に一度の格別まぐろ祭り」では厳選大切りびん長まぐろ(税込110円~)を販売しました。レーンを見ながら新たなおすしに巡り合う楽しさをデジタルで再現した「デジロー」は、期末時点で国内123店舗への導入が完了しました。海外スシロー事業は、物件や立地の特性を厳選して出店するアプローチで拡大し、マレーシアに2月に1号店を開きました。京樽事業はEC販売の強化と不採算店舗の整理を進め、国内杉玉事業は直営とフランチャイズの両輪で店舗を伸ばしています(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。

収益の仕組み

収入は、すし専門店での飲食販売とテイクアウト、京樽のEC販売、杉玉のフランチャイズ展開から生じます。同社は業績指標として調整後EBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+減損損失)を開示しており、2025年9月期は52,079百万円(前期比38.9%増)でした(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。

費用面では、外食業界について、米をはじめとする原材料価格やエネルギー価格等の高騰、慢性的な人手不足で厳しい状況が続いていると述べています。資金の流れとしては、有形固定資産の取得による支出が25,177百万円、リース負債の返済による支出が22,117百万円で、出店と店舗維持に継続的な投資が必要な構造と読めます。ただし、今回参照した公開資料には原材料費や人件費などの費用の内訳は示されていません(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。

数字で確かめる

  • 売上収益429,574百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益36,093百万円(同54.4%増)、売上収益営業利益率8.4%(前期6.5%)(2025年9月期)(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。増収に伴って利益率が改善していることが読み取れます。
  • 国内スシロー事業の売上収益265,903百万円(同11.6%増)、セグメント利益18,008百万円(同26.7%増)(2025年9月期)(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。国内事業でも利益を伸ばしていることが読み取れます。
  • 海外スシロー事業の売上収益131,422百万円(同42.6%増)、セグメント利益16,324百万円(同126.9%増)(2025年9月期)(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。出店の加速とともに利益が売上以上に伸びていることが読み取れます。
  • 京樽事業のセグメント利益60百万円(前期はセグメント損失350百万円)、国内杉玉事業のセグメント利益64百万円(同51.1%減)(2025年9月期)(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。主力以外のブランドは利益規模が小さいことが読み取れます。
  • 営業活動によるキャッシュ・フロー64,429百万円、親会社所有者帰属持分比率24.0%(前期20.5%)(2025年9月期)(2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結))。営業キャッシュで投資を賄っていることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事業は「専門店(カテゴリー特化)」の型と読めます。すしという一つのカテゴリーに絞ることで、仕入れ、店内調理、店舗設計、販促を一つの型に集約でき、店舗数が増えるほど型の改善が全店に効く構造になっていると考えられます。「すしに真っすぐ!」というテーマや、税込110円~のまぐろ祭りのようなキャンペーンは、専門店ならではの商品力で来店の理由をつくる仕事と読めます。

裏側で必要な仕事は、原材料価格やエネルギー価格の高騰、人手不足のなかで店舗運営の型を保つことです。海外で物件や立地を厳選する出店基準は、型を海外に移す際の品質管理と考えられます。

トレードオフは、出店とリースを伴うため、有形固定資産の取得とリース負債の返済に毎期大きな資金を要し、資本の比率が24.0%にとどまることです。また、京樽や杉玉のように、業態が違えば主力の型がそのまま効くわけではないと読めます。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社が絞り込んでいるカテゴリーは何で、そこに絞ることで共通化できている仕事は何でしょうか。
  • 店舗や拠点が増えたとき、一か所の改善が全体に広がる仕組みを持っていますか。
  • 新しい地域や業態に出るとき、主力の型のうち何を守り、何を変えるかの基準はありますか。
  • 出店や設備の投資を、営業キャッシュ・フローのどの範囲内に収めるべきでしょうか。

小さく試すなら

  1. 自社の主力商品やサービスで「これだけは真っすぐに」と言える価値を一文で定め、直近の販促や商品がそれに沿っているかを棚卸しします。
  2. 主力の価値を体験してもらう期間限定の企画を1店舗または1拠点で2〜4週間実施し、来店や購入の変化を記録します。
  3. 拠点運営の手順のうち、他の拠点にも共通化できる工程と、地域ごとに変えるべき工程を分けて書き出します。
  4. 企画の効果と共通化できる工程が確認できたら、次の拠点や地域で同じ手順を再現し、結果を比べます。

関連するビジネスモデル

資料の位置づけ

企業・サービス:株式会社FOOD & LIFE COMPANIES / 回転すし「スシロー」。参照資料:2025年9月期 決算短信。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.27

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