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RB Global, Inc.の中古車両・機械オークションに学ぶ事業設計

RB Global, Inc.は自動車や建設・輸送機械などをオークションやオンラインマーケットプレイスで売り、売り手と買い手の双方から手数料を得ています。取引総額(GTV)と手数料設計の関係から、仲介型事業の収益の置き方を学べます。

この事例の要点

  • 自動車、建設・輸送機械(CC&T)などの中古資産を、オークションやオンラインマーケットプレイス、個別仲介などで売却する事業で、2025年のTotal GTVは$16.2 billionでした(Form 10-K、FY2025)。
  • 収益は売り手・買い手から受け取るサービス収益が中心で、Total revenueは$4.6 billion、そのうちService revenueは$3.5 billionでした(Form 10-K、FY2025)。
  • 買い手手数料の体系を変えたことで、GTVが2%増にとどまる中、Transactional buyer revenueは8%増えたと説明されています(Form 10-K、FY2025)。

どんな事業か

同社は、扱う資産を「Automotive」「CC&T」「Other」の3分野に分けて説明しています。Automotiveは乗用車やバスなど、CC&Tは土木・荷役用の機械や業務用トラック・トレーラー、Otherは農業・林業・エネルギー分野の機器や政府の余剰資産などです。どの分野にも、事故車などのサルベージ取引とそれ以外の取引が含まれます(Form 10-K、FY2025)。

売却の場は、自社のオークションとオンラインマーケットプレイス、第三者のオンラインマーケットプレイス、プライベートブローカレッジなどです。GTVはこれらすべてで売れた品目の売却総額と定義されており、財務諸表上の売上ではないと注記されています(Form 10-K、FY2025)。

2025年の動きとして、同社は、自動車保険会社の顧客に対してサービスレベル契約に沿った対応を続けたこと、IAAがオーストラリアの保険グループの唯一のサルベージパートナーとして、本格稼働時に年間およそ65,000台の見込みで取扱いを始めたことを挙げています。米国のJ.M. Woodなどのオークション事業の買収も報告しています(Form 10-K、FY2025)。

収益の仕組み

収益はService revenueとInventory sales revenueに分かれます。Service revenueは、売り手から受け取るTransactional seller revenue、買い手から受け取るTransactional buyer revenue、輸送などのMarketplace services revenueで構成されます。Inventory sales revenueは、同社がいったん在庫として資産を持ち、自ら売る取引の売上です(Form 10-K、FY2025)。

同社によると、手数料率は自動車・CC&Tともに前年並みでしたが、手数料率の低い自動車の比重が上がったため、売り手側の手数料率は全体として下がりました。一方、買い手側は2024年後半から2025年初めにかけて手数料体系を変更したことで伸びています(Form 10-K、FY2025)。

費用面では、Costs of servicesの増加要因としてレッカー費用、従業員報酬、物件の賃借費用が挙げられています。SG&Aは17%増で、前CEOの退任に関する仲裁やリストラ費用、クラウド費用などが増加理由とされています(Form 10-K、FY2025)。

数字で確かめる

  • Total revenue:4,590.7(単位:百万ドル、前年は4,284.2)(Form 10-K、FY2025)。サービス収益が大半を占める構造が読み取れます。
  • Operating income:713.4(単位:百万ドル、前年比6%減)、Net income:$427.6 million(Form 10-K、FY2025)。増収の一方で販管費の増加が利益を押し下げたことが読み取れます。
  • Transactional buyer revenue:2,238.3(単位:百万ドル、8%増)、Transactional seller revenue:928.8(同1%減)(Form 10-K、FY2025)。買い手側の手数料が収益の柱であることが読み取れます。
  • Total lots sold:3,393.8(単位:千ロット)、うちAutomotive 2,447.7(Form 10-K、FY2025)。件数では自動車が中心であることが読み取れます。
  • Inventory rate:5.3%(前年6.2%)(Form 10-K、FY2025)。在庫を持って売る取引の利ざやは薄いことが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事業はオークション(競り)と管理型マーケットプレイスの組み合わせと読めます。売り手にとっては、保険会社のように大量の車両を決まった水準で処分したい相手に対し、期日や品質の約束を守りながら高い落札価格を引き出せるかが価値になります。そのためには、多くの買い手を集め続けることが前提になり、海外の買い手を含めた集客と、決済・引き取り・輸送までを運営側が引き受ける仕組みが必要だと考えられます。

裏側で必要な仕事は、車両や機械の保管・輸送、検品、落札後の支払い処理など、物理的で手間のかかる作業です。費用の説明にレッカー費用や賃借費用が並ぶことからも、単なる掲載サイトではなく、現場の運営を抱えた仲介であることが読み取れます。

トレードオフは、手数料をどちらから取るかにあります。売り手側の手数料率が資産の構成で下がる中、買い手側の手数料体系で収益を伸ばしたことは、価格設定の余地が買い手側にあったことを示すと考えられます。ただし買い手の負担を上げすぎると落札価格や参加者数に影響しうるため、その均衡を見ながら設計する必要があると考えられます。また在庫を持つ取引は売上を大きく見せますが、利ざやは薄く、在庫リスクも抱える選択です。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の仲介では、手数料を売り手と買い手のどちらに、どんな名目で置いているか。
  • 取扱額と売上を分けて追えているか。取扱額が伸びないときに、単価設計で売上を伸ばす余地はあるか。
  • 大口の出品者に対して、期日や品質などの約束を示せているか。
  • 在庫を持って売る取引と、手数料だけの取引をどう使い分けるか。

小さく試すなら

  1. 直近の取引を洗い出し、取扱額と自社の受取額を、売り手側・買い手側の手数料に分けて集計する(1週間)。
  2. 買い手向けに、手数料の名目や見せ方を変えた案を用意し、一部の取引で提示して成約率と落札額を比べる(2〜4週間)。
  3. 大口の出品者候補に、処分期日と対応範囲を明記したサービス内容を示し、関心の有無を聞き取る(2週間)。
  4. 買い手の手数料を変えても成約率と参加者数が大きく落ちず、大口出品者の関心が確認できれば、料金体系の見直しに進みます。

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資料の位置づけ

企業・サービス:RB Global, Inc. / 中古車両・機械のオークションとマーケットプレイス。参照資料:Form 10-K(FY2025)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.27

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