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株式会社セブン&アイ・ホールディングスのコンビニ加盟店網に学ぶ事業設計

セブン&アイ・ホールディングスは、独立した事業体である加盟店とともにコンビニエンスストア網を国内外に展開しています。加盟店売上を含むグループ売上16,992,087百万円と営業収益の関係から、本部と加盟店の分業の設計を学べます。

この事例の要点

  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングスの2026年2月期は、営業収益10,430,269百万円(前期比△12.9%)、営業利益422,993百万円(前期比0.5%増)でした(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。
  • 加盟店売上を含めた「グループ売上」は16,992,087百万円で、営業収益を大きく上回る規模の売上が店舗網全体で生まれています(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。
  • 同社は2025年9月からコンビニエンスストア(CVS)事業に特化した体制となり、株式会社セブン銀行や株式会社ヨーク・ホールディングス傘下の子会社が連結の範囲から除外されました(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

どんな事業か

セブン&アイ・ホールディングスは、国内と海外でコンビニエンスストア事業を展開する持株会社です。当期の報告セグメントは、国内コンビニエンスストア事業、海外コンビニエンスストア事業、スーパーストア事業、金融関連事業、その他の事業でした(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

国内では株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが「フレッシュフードの差別化」「店舗ネットワークの強化」「7NOWのお客様価値最大化」「お客様とのエンゲージメント強化」を重点施策に掲げ、出来立て商品の「セブンカフェ ベーカリー」や「セブンカフェ ティー」を全国展開しました。北米では7-Eleven, Inc.が、フレッシュフードや店舗ネットワークに加え「バリューチェーン横断での販管費コントロール」に取り組んでいます(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

店舗の運営主体について、同社はコンビニエンスストア加盟店を「加盟店基本契約を締結している独立した事業体」と説明しています(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

収益の仕組み

同社の開示では、自営店と加盟店の売上を合計した「チェーン全店売上」と、連結上の「営業収益」が別の数値として示されています。セブン‐イレブン・ジャパンのチェーン全店売上は5,469,315百万円で、国内コンビニエンスストア事業の営業収益は914,583百万円でした(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。加盟店の売上がそのまま同社の営業収益になるわけではない構造が開示から分かります。ただし、加盟店から本部に支払われる対価の算定方法は、今回参照した資料には示されていません。

費用について、国内では米等の原材料価格の高騰により荒利率が前年同期を下回り、物価上昇等の影響で販管費が前年同期を上回ったと説明しています。北米では人件費、地代家賃上昇等により販管費が前年同期を上回りました(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。本社費用には、グループ共通基盤システム構築に係る費用等が含まれ、調整額の営業損失は67,218百万円でした(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

数字で確かめる

  • 営業収益10,430,269百万円(前期比△12.9%)、営業利益422,993百万円(前期比0.5%増)(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。子会社の非連結化などで収益規模が縮んでも、利益水準は維持されたことが読み取れます。
  • グループ売上16,992,087百万円(前年同期比92.1%)(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。加盟店を含む店舗網の売上規模が、連結の営業収益を上回ることが読み取れます。
  • 国内コンビニエンスストア事業の営業収益914,583百万円、営業利益222,521百万円(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。国内事業が収益規模に比べて大きな利益を生んでいることが読み取れます。
  • 海外コンビニエンスストア事業の営業収益8,556,832百万円、営業利益222,223百万円(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。海外は収益規模が大きく、利益額は国内と同程度であることが読み取れます。
  • 国内では2025年度から2030年度までに純増1,000店を目指す(2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。店舗網の拡大を成長の柱に置いていることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。コンビニエンス型チェーンとフランチャイズの組み合わせで見ると、この事業の要は、独立した事業体である加盟店が店舗を運営し、本部が商品開発、店舗網の設計、デジタル施策などを担う分業にあると考えられます。セブン‐イレブン・ジャパンのチェーン全店売上5,469,315百万円と、国内コンビニエンスストア事業の営業収益914,583百万円という開示は、本部が店舗売上の全額ではなく、分業の中で自らの取り分を得る構造であることを示していると読めます。

裏側で必要な仕事は、加盟店が売れる状態をつくり続けることです。同社は「商品開発」「マーケティング」「オペレーション」「コミュニケーション」の4部門の連携や、出来立て商品の展開、7NOWの強化を挙げています。店舗網についても、標準型出店だけでなく都市部小型店、郊外・過疎地向け出店、省人化運営によるサテライト型出店と、立地に応じた型を用意しています。本部の打ち手が加盟店の売上を通じて初めて成果になる点が、この型の特徴と考えられます。

トレードオフは、原材料価格や人件費の上昇が荒利率と販管費に同時に効くことです。当期の国内事業は既存店売上が前年を上回った一方で、営業利益は前年同期比95.3%でした。店舗数や売上を伸ばしても、原価と経費の上昇を本部と加盟店のどちらがどう吸収するかの設計が、事業の持続性を左右すると考えられます。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の売上のうち、自社が直接担う部分と、パートナーが担う部分を分けて把握できているか。
  • パートナーの売上が伸びたとき、自社の収益がどう連動するかを説明できるか。
  • 立地や顧客層ごとに、提供の「型」を複数用意する余地はあるか。
  • 原価や人件費の上昇を、誰がどの割合で負担する設計になっているか。

小さく試すなら

  1. 自社の取引を「自社で完結する売上」と「パートナー経由の売上」に分け、それぞれの粗利の構造を書き出します。これでパートナー経由の比重が見えれば次に進みます。
  2. パートナー1〜2社に、売上を伸ばすために本部側から欲しい支援を聞き取ります。商品、販促、デジタルのどれに要望が集中するかを確認します。
  3. 2〜4週間、要望が最も多かった支援を一つだけ試し、パートナー側の売上と自社の収益の変化を記録します。
  4. 結果から、支援にかかったコストと収益の変化を比べ、継続の可否と対象の広げ方を決めます。

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資料の位置づけ

企業・サービス:株式会社セブン&アイ・ホールディングス / コンビニエンスストアのフランチャイズ。参照資料:2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.27

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