外部送信規律とは
外部送信規律とは、電気通信事業法に定められた、利用者の端末から外部の事業者へ情報が送信される場合に、その内容を利用者に分かりやすく示すなどのルールです。要するに、タグやSDKの追加時に対象と対応を確認します。
ウェブサイトやアプリに、広告や計測のためのタグ、SDK(ソフトウェア開発キット)を入れると、利用者の閲覧情報などが外部事業者に送られることがあります。そのことを利用者が知らないまま送信されないよう、通知や公表などを求める考え方です。
仕組み・ポイント
対応を考える際の基本的な流れは、次のとおりです。
- 対象かどうかの確認:自社が提供するサービスの種類や、規律の対象となる事業の範囲に当たるか
- 外部送信の洗い出し:どのタグやSDKが、どの情報を、どの外部事業者に送っているか
- 利用者への説明:送信される情報の内容、送信先の名称、利用目的を分かりやすく示す
- 継続的な更新:タグやSDKを追加・変更したときに、説明も更新する
| 洗い出す項目 | 具体例 |
|---|---|
| 送信されている情報 | 閲覧履歴、端末の識別情報、操作の記録 |
| 送信先 | 分析ツール、広告配信、チャットツールの事業者 |
| 目的 | アクセス解析、広告効果の測定、機能の提供 |
実務での使い方・具体例
新規事業のサイトやアプリでは、スピードを重視してさまざまなタグを追加しがちです。そこで、タグマネージャーに登録されているタグの一覧を作り、各タグが送る情報と送信先、目的を書き出します。この一覧がそのまま、利用者向けの説明を作る基礎になります。
運用面では、新しいタグを追加するときに、担当者がマーケティングだけで判断せず、法務や責任者に共有する手順を設けます。サイトの改修やキャンペーンの前にチェックする項目として、「新しい外部送信が増えないか」を加えておくと、説明の更新漏れを防げます。説明をどこにどう掲載するか(専用のページ、ポリシー内の項目など)も、利用者が見つけやすい形を考えます。外部の制作会社や代理店がタグを入れる場合も、自社で把握する体制が必要です。
確認の観点
着手の前や公開の前に、次の点を確認しておくと、後からの手戻りを減らせます。
- サイトやアプリに入っているタグとSDKの一覧はあるか
- 各ツールが送る情報、送信先、目的を把握しているか
- 利用者に分かりやすい形で、説明を掲載しているか
- タグを追加するときの確認の手順が決まっているか
- 制作会社や代理店が入れたタグも、把握できているか
最初の一歩としては、ブラウザの開発者ツールやタグ管理の画面で、実際に外部へ通信しているものを洗い出します。画面上の設定だけでなく、実際の通信を確認することで、把握していなかった送信先が見つかることがあります。
よくある誤解と注意点
- 「プライバシーポリシーに書いてあれば十分」とは限らない。規律の求める内容や示し方を確認する
- 自分が入れたタグでなくても、制作会社や代理店が設置したものを把握していないと説明に漏れが出る
- タグが送る情報の中身を、提供元の説明だけに頼らず、実際の動作で確認する
- 対象の範囲や具体的な要件は、制度や運用で更新されうる。公的な最新の資料を確認する
制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- プライバシーポリシー:外部送信の説明を載せる文書
- Googleタグマネージャー(GTM):タグを管理するツール
- 個人関連情報:クッキー等の情報の取扱いに関わる区分
- 個人情報保護法:情報の取扱いに関わる法律
Otsumuに相談できること
計測や広告のタグは、事業の成長に欠かせない一方、管理が属人化しやすい領域です。タグの棚卸しと運用ルールを、事業の進め方に合わせて整理するお手伝いができます。
事業側の論点整理や進め方の設計は 新規事業の戦略・立ち上げ支援 でお手伝いできます。個別の法的判断は弁護士など専門家の領域ですので、必要に応じて専門家と連携しながら進める前提でご相談ください。まずは 30分の無料相談 で状況をお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04