コンセント制度とは
コンセント制度とは、先に登録された商標の権利者の同意があれば、一定の場合に、似た商標でも登録が認められる可能性がある制度です。似た商標の登録は、混同を防ぐために原則として認められません。しかし、権利者が同意しており、実際にも混同のおそれがないと判断される場合には、併存の余地が生まれます。同意があれば自動的に認められるわけではありません。 「コンセント」は、英語の consent(同意)に由来します。先行の権利者の同意を条件とすることから、この名が付いています。
仕組み・ポイント
主な要素を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 前提 | 先行商標の権利者の同意が得られていること |
| 審査 | 同意に加えて、混同のおそれがないかが確認される |
| 同意の内容 | 範囲や使い方などを具体的に定める合意が重要 |
| 留意点 | 制度の対象や要件は限定的で、個別に確認が必要 |
同意を取り付けるには、相手との関係や条件の交渉が必要です。また、同意書を作っても、実際の使い方によっては混同のおそれが残ると判断される可能性があるため、使い方も合意しておくことが現実的です。
判断のポイント
- 相手の事業と、自社の事業の違いを説明できるか。
- 同意の内容に、使い方の取り決めを含められるか。
- 同意が得られない場合の代替策を持っているか。
実務での使い方・具体例
自社のサービス名に似た登録商標があり、相手の事業は異なる分野だった場面を想定します。相手の事業の内容と、自社の使い方の違いを整理し、混同が生じないことを説明する資料を準備します。そのうえで、相手に同意を求める交渉を行い、使い方に関する取り決めも含めて合意します。同意書の作成と出願の手続きは、専門家に確認してもらいます。
進め方の例
- 相手の事業と自社の使い方の違いを整理する。
- 混同が生じない理由を、資料にまとめて、相手に説明する。
- 同意の内容と使い方の取り決めを、専門家に確認してもらう。
同意を得られない場合の代替策(名称の変更、使い方の変更など)も、並行して検討します。交渉が長引くと事業の日程に影響するため、判断の期限を設けておくことが重要です。
交渉の場では、相手の事業への配慮を示すことが、同意を得やすくする鍵になります。自社が相手の領域に入らないことを約束するなど、相手の不安を取り除く提案を用意しておくと、合意がまとまりやすくなります。
この制度は、似た名称を併存させるための例外的な手段であり、基本は混同のおそれがない名称を選ぶことが最も確実です。名称の候補を検討する段階で、類似の可能性が低いものを優先する姿勢が、制度に頼らない安全な進め方です。
よくある誤解と注意点
- 同意があれば必ず登録されるわけではありません。
- 混同のおそれがあると判断される場合は、認められません。
- 相手が同意しない場合は、この制度は使えません。
- 制度の運用は変わることがあるため、最新の情報を専門家に確認してください。
- 法令・制度や運用は改正で変わります。実際の判断や手続きの前に、最新情報を公的機関や弁理士・弁護士などの専門家で確認してください。費用、期限、要件などの具体的な内容は、必ず公式の案内に当たってください。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04