定款とは
定款とは、会社の目的、名称、所在地、株式に関する事項など、会社の組織と運営の基本的なルールを定めた文書のことです。「会社の憲法」にたとえられることもあります。会社を設立する際に作成され、その後も、会社の運営の土台となります。
設立時に作る定款を、特に原始定款と呼びます。その後、会社の状況の変化に応じて、定款の内容を変更することもあります。資金調達の場面では、種類株式の内容などを、定款に定める必要があります。
仕組み・ポイント
定款に定められる主な項目です。
- 目的:会社が行う事業の内容。
- 商号と所在地:会社の名前と、本店の所在地。
- 株式に関する事項:発行できる株式の総数や、株式の種類、譲渡の制限など。
- 機関の設計:取締役会などを置くかどうか。
- 変更の手続き:定款を変更するには、株主総会の決議が必要。
定款は、一度作ったら見直さない文書と思われがちですが、事業の成長に合わせて、定期的に見直すことが望まれます。特に、資金調達や、事業の拡大のタイミングは、見直しの良い機会です。
日頃から、定款の写しを管理し、誰でも確認できる状態にしておきます。
定款の変更は、会社の意思決定の中でも、重みのあるものです。特に、株式に関する事項を変更する場合は、株主の権利に影響するため、事前に丁寧な説明が必要になります。
変更の履歴を残し、最新の定款と過去の定款を、整理して保管しておくと、後の確認が容易になります。
実務での使い方・具体例
架空の例として、新規事業の会社が、出資を受けるにあたり、定款を見直す場面を考えます。担当者は、現在の定款に、種類株式の定めがあるか、発行できる株式の数に余裕があるか、株式の譲渡に関する制限があるかを、確認します。
不足している点があれば、定款の変更の手続きを、調達のスケジュールに組み込みます。変更には、株主総会の決議と、登記の手続きが必要になることがあるため、余裕を持って準備します。
投資契約の内容と、定款の内容に食い違いがないかも、あわせて確認します。
たとえば、事業の目的の欄は、新規事業を始める際に見直しの対象になります。定款に書かれていない事業を始める場合には、目的の追加が必要になることがあるため、新規事業の計画と一緒に、定款の確認をしておくと手戻りを避けられます。
進め方の例
- 現行の定款を、最新の状態で入手して確認する。
- 株式、機関、譲渡制限に関する定めを抜き出す。
- 資金調達や事業の計画と照らして、変更が必要な点を洗い出す。
- 変更の決議と登記を、スケジュールに組み込む。
よくある誤解と注意点
- 定款に書いていない内容は、契約だけで定めても、会社に対する効力が十分でない場合があります。
- 事業の目的に書かれていない事業を行う場合、定款の変更が必要になることがあります。
- 定款の変更は、決議と登記が必要です。直前では間に合いません。
- 契約と定款の内容が食い違うと、運営が混乱します。
- 定款には、会社が株式の譲渡を制限するかどうかなど、投資家が関心を持つ項目が含まれます。出資の話が出る前に、一度読み返しておくと、質問に落ち着いて答えられます。
- 定款の内容は、インターネット上の雛形をそのまま使うのではなく、自社の事業と資金調達の計画に合わせて調整することが大切です。
制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- 発行可能株式総数:定款で定める株式の枠
- 譲渡制限株式:定款で定める譲渡の制限
- 株主総会の特別決議:変更に必要な決議
- 投資契約・株主間契約:定款と整合させる契約
Otsumuに相談できること
出資を受ける前の準備として、現行の定款の内容を確認し、必要な変更を洗い出しておくことが役に立ちます。詳しくは事業戦略・調査の支援をご覧ください。状況の整理から始めたい場合は、30分の無料相談をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04