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Texas Roadhouse「ステーキハウス」に学ぶ直営中心の外食事業設計

直営714店・フランチャイズ102店で、ステーキ中心の外食を運営するTexas Roadhouseの事例です。価格と原価、出店投資の関係をForm 10-K(FY2025)の数値から考えられます。

この事例の要点

  • Texas Roadhouseは、Texas Roadhouse、Bubba's 33、Jaggersの3ブランドを運営し、2025年12月30日時点で直営714店、フランチャイズ102店、合計816店です。
  • ステーキを各店で手切りし、「毎日の価値(everyday value)」を重視した価格設定を採っています。一方で、2025年は牛肉を中心とする食材費の上昇で、レストランマージン率が下がりました。
  • 新店は1店あたり約8.3百万ドル(Texas Roadhouse、2025年)の投資が必要です。売上の伸びと原価の動きを両方見る事業であることが読み取れます。

どんな事業か

Texas Roadhouse, Inc.は、NASDAQ Global Select Marketに上場しています。2025年12月30日時点の店舗は、Texas Roadhouseが直営648店・フランチャイズ96店、Bubba's 33が直営56店、Jaggersが直営10店・フランチャイズ6店です(Form 10-K、FY2025〔2025年12月30日終了年度〕)。

同社は、ステーキを店内で毎日手切りし、手頃な価格と量のある盛り付けを打ち出しています。平日は夕食の時間帯のみの営業とする店がほとんどで、Friday lunchを行う店は60%超です。従業員は約101,000人です(Form 10-K、FY2025)。

収益の仕組み

収益の中心は、直営店の飲食売上です。フランチャイズ店からは、ロイヤルティと手数料を受け取ります。

  • 入り口:来店客に向けて、手切りのステーキと量のある盛り付けを手頃な価格で出します。
  • 課金:店内の飲食売上が中心で、アルコール飲料は2025年の直営店売上の8.8%でした。
  • 広がり:新店の出店(2025年は直営28店、フランチャイズ4店)と、既存店の売上の伸びで成長します。フランチャイズのロイヤルティ・手数料は30.8百万ドルでした。

数字で確かめる

  • 2025年の総収入は5,878.1百万ドルで、前年の5,373.3百万ドルから9.4%増えました。ただし2025年は52週、2024年は53週です(Form 10-K、FY2025)。出店と既存店の伸びで、売上が積み上がっていることが読み取れます。
  • 直営店の既存店売上は4.9%増でした(Form 10-K、FY2025)。新店だけでなく、既存の店も売上を伸ばしていることが読み取れます。
  • レストランマージンは905.7百万ドルで、比率は15.5%(2024年は17.1%)でした。食材費は売上の35.0%(2024年は33.4%)で、商品原価の上昇は全体で6.1%、牛肉は食材費のおよそ半分と記載しています(Form 10-K、FY2025)。売上が伸びても、原価の上昇で利益率が下がりうることが読み取れます。
  • 人件費は売上の33.3%(2024年は33.1%)で、賃金などの上昇率は3.7%でした(Form 10-K、FY2025)。食材費と人件費の2つで、売上の約3分の2強を占めていることが読み取れます。
  • 2025年の設備投資額は388.0百万ドルです。新店1店あたりの平均投資額は、Texas Roadhouseが約8.3百万ドル(2024年は約8.0百万ドル)、Bubba's 33が約9.0百万ドル(2024年は約8.6百万ドル)でした(Form 10-K、FY2025)。出店ごとの投資額が増えていることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事業は、直営を軸にした店舗運営の型と、フランチャイズによる海外などへの広がりを組み合わせていると読めます。直営は品質や接客を自社で揃えやすい一方、出店のたびに多額の投資が要ります。手切りや量のある盛り付けといった体験を、価格を上げすぎずに維持することが、来店の理由になっていると考えられます。

2025年の数字は、その設計の難しさも示しています。売上は伸びていても、牛肉を中心とする原価の上昇が、マージン率を押し下げました。価格を上げて原価を転嫁すれば、「毎日の価値」という打ち出しと衝突しかねません。どこまでを価格に反映し、どこまでを運営の工夫で吸収するかが、設計上の綱引きになるとOtsumuは見ます。

複数ブランドを持つことは、一つの業態に頼らない選択肢にもなりますが、新ブランドは出店の初期に投資が先行する面もあります。ブランドごとの店舗数や投資額を分けて見ることが、事業の実力を測る手がかりになると考えられます。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の主力の商品・サービスで、原価の中心になっている費目は何で、その上昇をどこまで価格や運営の工夫で吸収できるでしょうか。
  • 顧客が価格以外に「ここに来る理由」と感じている体験は何で、それを維持するためにいくら必要でしょうか。
  • 新しい拠点や業態への投資は、売上が伸びなくても耐えられる水準でしょうか。

小さく試すなら

  1. 直近の売上と原価を費目別に並べ、売上に占める割合が大きい上位2つを特定します。
  2. その2つの費目について、過去1年の変動幅を確認し、10%上がった場合の利益への影響を表計算で試算します。
  3. 価格の見直し、量や仕様の見直し、運営の工夫の3つの対策案を出し、顧客が価値と感じている体験を損なわないものを選びます。
  4. 2〜4週間のうちに、選んだ案を1つの商品・拠点で小さく試し、販売数や反応を記録して、広げるかを判断します。

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資料の位置づけ

企業・サービス:Texas Roadhouse, Inc. / Texas Roadhouse、Bubba's 33、Jaggers。参照資料:Form 10-K(FY2025、2025年12月30日終了年度)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.25

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