分類:企業事例 › 機械・素材・航空宇宙
この事例の要点
- United Rentalsは米国とカナダを中心に建設・産業用機器を貸し出しており、2025年の総収益160億9,900万ドルのうち機器レンタルが138億600万ドルを占めます。
- 機器レンタル収益の増減を、保有機器の取得原価(OEC)の変化、インフレの影響、フリートの生産性、付随収入・転貸収入の寄与に分けて開示しています。
- 使用済みのレンタル機器を定期的に売却して新しい機器に入れ替えており、レンタル機器の売却は14億1,300万ドルの収益になっています。
どんな事業か
United Rentalsは、自社を世界最大の機器レンタル会社と説明しています(Form 10-K、FY2025)。事業の中心は米国とカナダで、欧州、オーストラリア、ニュージーランドにも拠点があります。2025年末のレンタル拠点は1,768、従業員は約28,500人です(Form 10-K、FY2025)。
貸しているのは建設・産業用の機器です。顧客は分散しており、最大の顧客でも総収益の1%にとどまります(Form 10-K、FY2025)。多数の顧客に、多数の拠点から機器を届ける事業だと読めます。
収益の仕組み
収益の中心は機器のレンタル料です。Form 10-K(FY2025)は、機器レンタル収益の増減を次の要素に分けて示しています。
- 平均保有機器の取得原価(OEC)の変化
- インフレの影響
- フリートの生産性(レンタル料率、時間稼働率、構成の変化)
- 付随収入・転貸収入の寄与
時間稼働率は、資産がレンタルに出ていた時間を、その資産を保有していた時間で割って計算すると記載しています(Form 10-K、FY2025)。
もう一つの収入が、使用済みのレンタル機器の売却です。同社は機器を定期的に売却して新しい機器に入れ替えており、その理由を、修理・保守のコストとフリートの構成・規模を管理するためだと説明しています(Form 10-K、FY2025)。
数字で確かめる
- 2025年の総収益は160億9,900万ドル。内訳は機器レンタル138億600万ドル、レンタル機器の売却14億1,300万ドル、新品機器の販売3億4,800万ドルなど(Form 10-K、FY2025)。貸すことが主で、売却が資産の入れ替えを兼ねた副次的な収入になっていることが読み取れます。
- 機器レンタル収益は前年比6.0%増で、そのうちフリートの生産性の寄与は2.2%(Form 10-K、FY2025)。成長を、資産を増やした分と、同じ資産をよりよく貸せた分に分けて見ていることが読み取れます。
- 保有機器の取得原価(OEC)は2025年末で224億8,000万ドル、機器は約109万5,000台、平均機齢は49.5か月(Form 10-K、FY2025)。資産の量と古さを継続して管理していることが読み取れます。
- 最大の顧客は総収益の1%、上位10社でも5%(Form 10-K、FY2025)。特定の顧客に頼らない収益構造であることが読み取れます。
- 北米市場でのシェアを約15%と推計しています(Form 10-K、FY2025)。同社の推計からは、市場が一社に集中していないことが読み取れます。
Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか
ここからはOtsumuの考察です。レンタル・リースの型では、顧客は「必要なときに、必要な機器が、近くで借りられること」に対価を払っていると考えられます。拠点が近く、貸せる機器の幅が広いほど顧客の利便性は上がり、それが料金と稼働率を支える、という関係だと読めます。
その裏側では、拠点ごとの在庫の配置、拠点間での機器の融通、配送、保守という仕事が発生します。Otsumuは、拠点網は利便性の源であると同時に、配置と保守の費用を生む固定的な負担でもあると見ます。同社が時間稼働率や平均機齢を開示しているのは、この負担に見合うだけ資産が働いているかを確かめる指標だからだと考えられます。
トレードオフは、供給の幅と資産効率です。機器の種類を増やし拠点を広げるほど、稼働しない資産と保守の手間も増えます。古くなった機器を売却して入れ替える運用は、保守費用の増加を抑えつつ資金を回収する手段だと読めますが、売却時の価格を見込んでおかなければ計画が狂うと考えられます。
自社事業に持ち帰る問い
- 自社の収益の増減を、「資産を増やした分」と「同じ資産をよりよく貸せた分」に分けて説明できますか。
- 稼働率を、貸し出していた時間と保有していた時間の両方を記録したうえで計算していますか。
- 顧客が自社を選ぶ理由は、料金ですか、近さですか、機器の幅ですか。その理由を支えるために、どの費用が必要ですか。
- 資産を何年使い、いくらで手放す前提で事業計画を立てていますか。
小さく試すなら
- 対象を小さな地域一つに絞り、見込み顧客の所在地と、機器を必要とする時期を聞き取ります。需要が特定の場所や時期に集中しているかどうかを地図と日程に落とします。
- その地域に在庫を置く場合と、離れた場所から配送する場合とで、届くまでの時間と配送の費用を比べます。顧客が許容する待ち時間も合わせて聞きます。
- 複数の置き場で在庫を共有する案と、置き場ごとに在庫を持つ案を比べ、同じ需要を満たすのに必要な台数の違いを試算します。
- 2〜4週間でここまでを終え、需要の集中が確認でき、顧客が許容する待ち時間の範囲で配送できる見通しが立てば、少数の機器で実際の貸出を始めます。需要が薄く広がっているなら、対象の地域か機器の種類を選び直します。
資料の位置づけ
企業・サービス:United Rentals, Inc. / 建設・産業用機器のレンタル。参照資料の対象:FY2025(2025年1〜12月)Form 10-K。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。
参考資料と編集について
zigyo.ai の関連ナレッジ ↗をもとに、Otsumuが検証・実装・運用の観点から再編集しました。制度・仕様・サービスの現況は、各提供元の最新情報をご確認ください。
編集:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.20