第三者提供とは
第三者提供とは、個人データを本人以外の第三者に渡すことであり、個人情報保護法では、原則として本人の同意が必要とされる行為です。要するに、委託や共同利用などとの区別を確認します。
外部のツールにデータを預けることが、すべて「第三者提供」に当たるわけではありません。委託、事業承継、共同利用のように、第三者提供に当たらない整理もあるため、仕組みごとに確認する必要があります。
仕組み・ポイント
情報を外に渡す場面を整理すると、次のような区分があります。
| 区分 | 内容 | 本人の同意 |
|---|---|---|
| 第三者提供 | 本人以外の者へ個人データを提供する | 原則として必要 |
| 委託 | 業務の一部を任せ、その範囲で取り扱わせる | 第三者提供に当たらない整理になりうる |
| 共同利用 | 特定の者との間で共同して利用する | 利用者の範囲などを通知・公表する |
| 事業承継 | 合併や事業譲渡に伴う引き継ぎ | 第三者提供に当たらない整理になりうる |
| オプトアウト | 本人が求めれば停止する仕組みを前提に提供する | 届出等の要件がある |
- 確認・記録:提供する側、受け取る側に、一定の記録や確認が求められる場合がある
- 外国にある第三者:追加の説明や措置が必要になることがある
実務での使い方・具体例
新規事業では、決済、メール配信、分析ツール、カスタマーサポートなど、多くの外部サービスを組み合わせます。そこで、各サービスにどの情報が渡るのか、それが「委託」なのか「第三者提供」なのかを、サービスごとに整理します。
整理にあたっては、外部事業者が自社の指示の範囲内でのみデータを扱うのか、それとも自社の情報を自らの目的で使うのかが、重要な観点になります。後者であれば、第三者提供として整理する必要が生じる可能性が高まります。契約書やサービスの規約を確認し、疑問があれば専門家に相談します。判断の結果は、プライバシーポリシーの記載や、同意の取得画面の設計にも反映させます。提携先とデータを共有する計画があるなら、共同利用の要件も含めて早めに検討します。
確認の観点
着手の前や公開の前に、次の点を確認しておくと、後からの手戻りを減らせます。
- 外部のサービスごとに、渡す情報の範囲を一覧にしたか
- 委託か第三者提供か、整理の根拠を説明できるか
- 外部事業者が、自社の指示の範囲で扱うのか確認したか
- 共同利用の場合の要件を満たしているか
- プライバシーポリシーの記載に、反映しているか
最初の一歩としては、利用している外部サービスを一覧にして、各サービスに渡している情報と、サービス側の利用目的を、契約書や規約で確認します。確認の結果を、整理の根拠として残しておきます。
よくある誤解と注意点
- 「外部のツールにデータを渡す=すべて第三者提供」と単純に決めつけない
- 「委託だから何をしてもよい」とも言えない。委託先の監督が求められる
- 共同利用は、同意を省略するための抜け道ではなく、要件を満たすことが前提
- 海外のサービスを使う場合は、追加の確認が必要になることがある
制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- 個人情報保護法:第三者提供のルールを定める法律
- 再委託:委託先がさらに任せる場合の論点
- 個人関連情報:個人データに当たらない情報の提供の整理
- プライバシーポリシー:提供の状況を説明する文書
Otsumuに相談できること
外部ツールを組み合わせる新規事業では、データの流れを整理しておくことが、設計判断を早くします。サービスごとの情報の流れの棚卸しを、お手伝いできます。
事業側の論点整理や進め方の設計は 新規事業の戦略・立ち上げ支援 でお手伝いできます。個別の法的判断は弁護士など専門家の領域ですので、必要に応じて専門家と連携しながら進める前提でご相談ください。まずは 30分の無料相談 で状況をお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04