意匠権とは
意匠権とは、物品の形状、模様、色彩などのデザインや、画面などの画像のデザインについて、出願して登録を受けることで得られる権利です。要するに、対象と類似の範囲を専門家に確認します。
デザインは、商品の魅力を左右する要素です。意匠権を取得すると、登録したデザインと同一、または類似のデザインを、他者が無断で実施することを防ぐ力を持ちます。
仕組み・ポイント
意匠で保護される範囲と、検討の観点を整理します。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 保護の対象 | 物品のデザイン、建築物、画像(画面のデザイン)など |
| 要件 | 新規性、創作の容易でないことなど |
| 類似の範囲 | 全く同じでなくても、類似と判断される範囲に権利が及ぶ |
| 関連意匠 | 本体のデザインに関連するデザインを、あわせて保護する仕組みがある |
| 秘密意匠 | 登録後、一定期間、内容を非公開にできる制度がある |
- 画像の意匠:アプリの画面やアイコンなどが、一定の条件のもとで対象になる
- 商標や著作権との関係:同じデザインに複数の権利が関わる場合がある
実務での使い方・具体例
新規事業で、プロダクトのデザインや、アプリの画面が、ブランドの強みになる場合には、意匠権の取得を検討します。たとえば、独自の操作画面や、製品の外観に特徴があるときです。ただし、全てのデザインを登録する必要はありません。事業にとって重要で、真似されると影響の大きい部分を優先します。
発売や公開の前に出願を検討することが大切です。公開した後だと、要件を満たさなくなる場合があるためです。デザインの外注先や、社内のデザイナーとの間では、デザインの権利が誰に帰属するのかを、契約や就業規則で決めておきます。他社の意匠を侵害しないかの確認も、デザインを決める前に行うと、手戻りが少なくなります。
確認の観点
着手の前や公開の前に、次の点を確認しておくと、後からの手戻りを減らせます。
- 守りたいデザインは、事業にとって重要か
- 公開や発売の前に、出願を検討したか
- 類似する他社の意匠を、調べたか
- デザインの外注先との権利の取り決めはあるか
- 商標や著作権で守る部分と、分けて考えたか
最初の一歩としては、公開予定のデザインを、物品の外観と画面の二つに分けて整理します。それぞれについて、事業への影響の大きさと、公開の時期を確認し、出願の優先順位を決めます。
さらに、デザインの変更が頻繁に起こる事業では、出願の時点のデザインと、実際に公開するデザインがずれないよう、制作の工程と出願の工程を連携させることも大切です。登録の可否や類似の判断は専門的なので、出願の前に専門家へ相談する時間を確保しておきます。
よくある誤解と注意点
- 「デザインは著作権で守られているから、意匠は不要」とは限らない
- 似ているかどうかの判断は難しく、素人判断をしない
- 公開前の判断が重要。公開後では権利を取れない場合がある
- 画面のデザインが対象となる範囲は、制度で定められている。最新の情報を確認する
制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
Otsumuに相談できること
デザインをどう守り、どう活かすかは、ブランドの戦略にもつながります。守る対象の優先順位づけの整理を、お手伝いできます。
事業側の論点整理や進め方の設計は 新規事業の戦略・立ち上げ支援 でお手伝いできます。個別の法的判断は弁護士など専門家の領域ですので、必要に応じて専門家と連携しながら進める前提でご相談ください。まずは 30分の無料相談 で状況をお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04