兼務とは
兼務とは、一人の担当者が複数の役割や業務を同時に担うことです。 兼任とも呼ばれます。
新規事業では、専任の人員を確保できず、既存事業の担当者が新規事業を兼ねる場面が多くあります。兼務は人を効率よく使える反面、時間の配分があいまいになりやすい点が課題です。人数ではなく、実際に新規事業へ使える時間で計画を考えることが重要です。
仕組み・ポイント
兼務を機能させるには、役割と時間の見える化が基本です。
- 稼働の割り当て:新規事業に使う時間の目安を、週や月の単位で決めます。
- 優先順位:既存業務と新規事業が衝突した場合、どちらを優先するかを上司と合意します。
- 役割の明確化:新規事業で担う責任の範囲を、書き出して共有します。
- 評価の扱い:新規事業での貢献が評価に反映されるかを確認します。
- 依存の分散:兼務者が不在になっても進むよう、情報を共有します。
進め方の手順
- 新規事業に使える時間を、週単位で本人と上司が確認する。
- 既存業務との優先順位と、衝突時の相談先を決める。
- 担当する責任と、判断してよい範囲を書き出す。
- 一定期間ごとに負荷を振り返り、専任化の要否を判断する。
判断の目安
専任に切り替える目安は、新規事業が「顧客に会って学ぶ段階」から「継続して開発や営業を回す段階」へ移ったときです。兼務のままでは速度が出ず、意思決定が遅れていると感じたら、専任化や追加の人員を検討します。判断は、使える時間と必要な作業量の差を基準にします。
確認したい質問
- 新規事業に使える時間を、週の単位で確認しているか。
- 既存業務と衝突したときの優先順位を、上司と合意しているか。
- 兼務者が不在でも、事業が止まらない情報共有があるか。
- 兼務をいつまで続けるか、見直しの時期を決めているか。
- 評価の場で、新規事業での貢献が見られているか。
実務での使い方・具体例
架空の例として、営業担当者が新規事業の顧客ヒアリングを兼務するとします。最初は「空いた時間にやる」としましたが、既存業務が忙しく進みませんでした。そこで、週のうち決まった時間をヒアリングに充て、その時間は既存業務の連絡を受けないことを上司と合意しました。計画も、人数ではなく「使える時間」で作り直しました。
兼務者の周囲への配慮も重要です。同じチームのメンバーが兼務者の既存業務を補う場合、その負担が見えないままだと不満が溜まります。新規事業の目的と、周囲に期待する協力の内容を共有し、負担が偏らないように調整してください。
兼務を前提とした計画では、余白を見込むことも大切です。急な問い合わせや既存業務の繁忙で、予定の時間を確保できない週が必ず生じます。新規事業の重要な節目の前後は、既存業務の負担を軽くする配慮を上司に相談しておくと、計画が崩れにくくなります。
よくある誤解と注意点
- 「一人いる」ことと「十分な時間がある」ことは違います。人数ではなく稼働の時間で見積もります。
- 兼務の負荷が見えないまま続くと、担当者の疲弊や、既存業務の品質低下につながります。
- 優先順位の取り決めがないと、どちらも中途半端になります。
- 長期の兼務を前提にすると、新規事業の速度が上がりません。重要な局面で専任化を検討します。
関連用語
- 副業・兼業:社外での別の仕事を行う場合で、社内の兼務とは異なります。
- 権限委譲:兼務者に判断を任せる範囲を決めるときの考え方です。
- 人月(工数見積もり):作業量を人月で見積もる際の稼働の考え方です。
- 社内公募:兼務や異動の希望者を社内から募る仕組みです。
Otsumuに相談できること
兼務を前提とした体制や、使える時間に合わせた計画づくりの場面でお手伝いできます。進め方の全体像は事業戦略・新規事業の支援のページにまとめています。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04