RDB(リレーショナルデータベース)とは
RDBとは、データを行と列からなる「表(テーブル)」の形で保存し、複数の表を共通の項目で関連付けて扱うデータベースです。Relational Databaseの略で、日本語では関係データベースとも呼ばれます。
平易に言えば、「互いに参照し合える、厳密なルール付きの表計算シートの集まり」です。顧客表、注文表、商品表をそれぞれ持ち、注文表の顧客IDから顧客表の情報をたどれるようにします。データの追加や検索にはSQLという専用の言語を使います。
RDBを管理するソフトウェアはRDBMS(Relational Database Management System)と呼ばれます。代表例としてはMySQL、PostgreSQL、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなどがあり、クラウド各社もこれらを手軽に使えるマネージドサービスを提供しています。
RDBの仕組みと特徴
RDBの中心にある考え方は、データの構造を事前に決め、そのルールを守ってデータを保存するというものです。主な特徴を整理します。
| 特徴 | 内容 | 業務上の意味 |
|---|---|---|
| スキーマ | 表の項目と型を事前に定義する | 不正な形式のデータが入りにくい |
| 主キー・外部キー | 行の識別と表同士の参照 | 存在しない顧客への注文などを防げる |
| トランザクション | 複数の更新をひとまとまりで確定・取り消し | 在庫減算と注文登録が片方だけ実行されない |
| SQL | 標準化された問い合わせ言語 | 集計や抽出を柔軟に行える |
| 結合(JOIN) | 複数の表を組み合わせて取り出す | 顧客別の売上などを正確に出せる |
特にトランザクションは、お金や在庫を扱う業務で重要です。「決済が成功したのに注文が登録されていない」といった中途半端な状態を防ぐ仕組みが、データベース自体に備わっています。この性質はACID特性(原子性、一貫性、独立性、永続性)と呼ばれます。
実務での使い方・具体例
業務システム、会員サイト、ECサイト、予約システムなど、受託開発で作られる多くのシステムはRDBを中心に設計されます。たとえば予約システムでは、次のような理由でRDBが向いています。
- 「枠」「予約」「会員」「店舗」など、関係のはっきりしたデータを扱う
- 同じ枠に2人が同時に予約しようとしたとき、一方だけを確定させる必要がある
- 店舗別・日別の予約数を集計したい
- キャンセルや変更の履歴を正確に残したい
RDB製品を選ぶ際は、製品そのものの優劣よりも、次の観点で判断するのが現実的です。
- 開発会社や社内の技術者が使い慣れているか
- 使うクラウドでマネージドサービスとして提供されているか
- 将来のデータ量や同時アクセス数に対して余裕があるか
- ライセンス費用の有無と、保守の体制
オープンソースのMySQLやPostgreSQLは、ライセンス費用がかからず情報も豊富なため、新規開発で選ばれることが多い製品です。既存の基幹システムが商用データベースで動いている場合は、連携や運用体制を考えて合わせることもあります。
よくある誤解と注意点
RDBは古く、NoSQLのほうが新しくて優れているという誤解。 両者は得意分野が違うだけです。整合性が重要な業務データにはRDBが向き、大量のログや形の決まっていないデータにはNoSQLが向く、というように用途で使い分けます。1つのシステムの中で両方を併用することも珍しくありません。
表を作れば速度は自動的に出るという思い込み。 データ量が増えると、索引(インデックス)の設計やSQLの書き方によって速度が大きく変わります。リリース直後は快適でも、数年後に画面表示が遅くなるのはよくある事例です。
データベースの文字コードや照合順序を気にしない。 日本語の全角・半角やカタカナ・ひらがなを区別して検索するかどうかは、データベースの設定で変わります。顧客名の検索で「見つからない」という問い合わせが続くといった事態を避けるため、日本語の扱いは設計段階で確認しておきましょう。
バックアップはクラウドが勝手にやってくれると考える。 マネージドサービスでも、バックアップの保存期間や復元の手順は設定と確認が必要です。実際に復元できるかを一度試しておくと安心です。
関連用語
- SQL(データベース言語):RDBのデータを操作するための言語
- NoSQL:表形式以外でデータを扱うデータベースの総称
- 正規化(データベース):RDBで重複のない表構造を作る設計手法
- データベース設計:RDBの表構造を決める工程
- バックアップ:データを複製して障害や誤操作に備える仕組み
クラウド上でのデータベース運用費用については「サーバー・クラウド費用の見積もり方」も参考になります。
Otsumuに相談できること
Otsumuは、業務の性質やデータ量、将来の拡張を踏まえてデータベースの種類と構成を選び、設計から開発・運用まで一貫して支援しています。既存システムのデータベースが遅い、構造が複雑で改修しにくいといったご相談にも対応します。
開発全般はシステム開発、既存システムの作り直しはシステムリプレイスのページをご覧ください。技術選定に迷ったら30分の無料相談でお気軽にご相談ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01