特定商取引法に基づく表記とは
特定商取引法に基づく表記とは、通信販売などの広告に、事業者の名称・住所・連絡先、料金、支払い方法、引渡時期、返品の条件といった情報を表示するものです。要するに、実際の販売主体や料金と一致させることが重要です。
「特商法表記」「特商法表示」と略され、ウェブサイトのフッターなどにリンクが置かれることが多い文書です。利用者が取引の相手や条件を確かめられるようにする目的があります。
仕組み・ポイント
表記する項目は、通信販売の広告で一般に求められるものを中心に、次のように整理できます。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 販売業者 | 法人名または個人名、運営責任者 |
| 所在地・連絡先 | 住所、電話番号、メールアドレス |
| 販売価格 | 商品やサービスの価格、送料、手数料 |
| 支払い方法・時期 | 利用できる決済手段と、請求のタイミング |
| 引渡時期 | 商品の発送時期、サービスの提供開始時期 |
| 返品・解約の条件 | 返品の可否、条件、手続き |
| その他の費用 | 追加でかかる費用がある場合の説明 |
- 表示の位置:見つけやすい場所に置く
- 内容の更新:料金プランや運営体制が変わったら、速やかに更新する
実務での使い方・具体例
新規事業で有料サービスを始める際は、料金プランの確定とあわせて、特商法表記のドラフトを作ります。ここで、実際の販売主体が誰か(自社か、提携先か、運営会社か)を整理します。複数の会社が関わるサービスでは、契約や請求の主体を明確にしないと、表記が実態とずれます。
運用では、プランの追加や価格変更、解約ルールの見直しのたびに、サービス内の説明、利用規約、特商法表記の三つを同時に更新する手順を決めておきます。更新漏れが最も起こりやすいのは、キャンペーンや新プランの追加時です。公開前のチェックリストに「表記の更新」を加えておくと防げます。住所や連絡先をどう表示するかなど、運営の事情で悩む項目は、専門家に確認のうえで方針を決めます。
確認の観点
着手の前や公開の前に、次の点を確認しておくと、後からの手戻りを減らせます。
- 実際の販売主体と、表記の事業者名は一致しているか
- 料金、支払い方法、引渡時期の記載は、最新か
- 返品や解約の条件が、規約や画面の説明と食い違っていないか
- プラン変更のたびに、表記を更新する手順があるか
- フッターなど、見つけやすい場所にリンクがあるか
最初の一歩としては、表記の各項目と、実際の契約書、請求書、問い合わせ窓口の情報を並べて照合します。一致しない項目を直したうえで、更新の担当者と時期を決めておくと、ずれが再発しにくくなります。
よくある誤解と注意点
- 「テンプレートを貼れば足りる」と考えない。実際の事業者、料金、返品条件と一致していることが前提
- 表記と利用規約、申込み画面の説明が食い違わないようにする
- 表示が必要な項目は、取引の形態によって異なる。自社のサービスに合わせて確認する
- 制度や運用は更新される。最新の公的資料で項目を確認する
制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- 特定商取引法:表記が求められる法律の全体像
- 通信販売:表記の対象となる取引形態
- 返品特約(通信販売の契約解除):返品条件の書き方に関わる論点
- 利用規約:併せて整える利用条件の文書
Otsumuに相談できること
料金プランや運営体制が変わるたびに、表記・規約・画面の説明を同時に整える運用は、小さな事業でも早めに仕組み化しておく価値があります。更新手順の設計を、お手伝いできます。
事業側の論点整理や進め方の設計は 新規事業の戦略・立ち上げ支援 でお手伝いできます。個別の法的判断は弁護士など専門家の領域ですので、必要に応じて専門家と連携しながら進める前提でご相談ください。まずは 30分の無料相談 で状況をお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04