代替品とは
代替品とは、自社の製品やサービスと形は異なるものの、顧客にとっては同じ目的や課題を満たせるものを指します。代替手段とも呼ばれ、直接の競合とは異なる形で、顧客の選択肢となります。
たとえば、移動の手段としての電車と車、情報の共有の手段としての会議と文書など、形は違っても目的が同じであれば、代替の関係にあります。ポーターの5フォース分析では、代替品の脅威が、競争を左右する力の一つとされています。
代替品の見つけ方と評価
代替品を探す視点を整理します。
| 視点 | 問い |
|---|---|
| 目的 | 顧客は、何を達成したくて自社の製品を検討するのか |
| 現在の手段 | 顧客は、今どうやってその目的を満たしているのか |
| 時間・予算 | 顧客の時間や予算を使う、別の選択肢は何か |
| 何もしない | 課題を放置する選択をしていないか |
見つけ方は、顧客の用事(ジョブ)から考えるのが効果的です。製品のカテゴリーではなく、顧客が片付けたいことを起点にすると、業界の外にいる代替品が見えてきます。
評価する際は、代替品の方が優れている点と、自社の方が優れている点を比べます。特に、乗り換えの手間(スイッチングコスト)や、現在の方法への慣れが、代替品を選び続ける理由になります。
代替品は、価格が低い、使い慣れているなど、品質以外の理由で選ばれていることがあります。
実務での使い方・具体例
架空の例として、会議の議事録を自動で整理する新しいサービスを考えます。直接の競合は、同種のサービスです。しかし顧客に聞くと、現在は担当者が手書きのメモを後でまとめており、その習慣が代替品になっています。
さらに、「議事録を作らず、口頭の共有で済ませる」という選択も存在します。この場合、顧客は、議事録の必要性自体を強く感じていない可能性があります。
そこで、顧客が現在の方法で感じる不便と、変えるための手間を詳しく聞きます。代替品に対する自社の優位性を、「どんな場面で、どれだけ楽になるか」で説明できなければ、顧客は乗り換えません。調査結果は、価値提案の見直しに生かします。
顧客に、「もしこの製品がなかったら、どうしますか」と尋ねる方法があります。答えがそのまま、現在の代替品や代替の行動を示しており、どれほど困るかの強さを測る手掛かりにもなります。
よくある誤解と注意点
誤解されやすいのは、競合を同じ業界の企業だけに限る見方です。顧客は、業界の枠を超えて、目的を満たす手段を比べています。業界の外の代替品を見落とすと、事業の見通しが甘くなります。
また、顧客の「現在の方法」を軽視してしまう失敗があります。手作業や慣習は、費用がかからず、使い慣れているため、強い代替品になります。
さらに、代替品がないと考えるのも危険です。顧客が課題を抱えているなら、何らかの対処をしているか、あえて対処しないという選択をしています。顧客に実態を聞いて、確かめることが大切です。
調査した代替品は、一覧にして、顧客が選ぶ理由、不満、乗り換えの障壁を併記します。この一覧は、営業や訴求の場面で、顧客の比較の視点に沿った説明を考えるときにも役立ちます。
関連用語
- 競合分析:代替品を含めて、顧客の選択肢を調べる活動です。
- スイッチングコスト:代替品から乗り換えるときに、顧客が負う負担です。
- 5フォース分析:代替品の脅威を、競争を左右する力の一つとして整理する枠組みです。
- ジョブ理論(JTBD):顧客の用事から、競合と代替品を捉える考え方です。
Otsumuに相談できること
代替品の存在は、顧客がなぜ自社を選ぶのかの根拠を左右します。Otsumuでは、顧客の現在の手段の調査と、それを踏まえた価値提案の整理について支援を行っています。
新規事業の戦略づくりは新規事業戦略支援で扱っています。進め方の整理だけでも構いませんので、状況に合わせて30分の無料相談をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04