競合分析とは
競合分析とは、自社の事業と顧客を奪い合う可能性のある相手や、顧客が選べる他の選択肢について調べ、自社との違いや、市場での位置を理解するための活動です。
「競合」と聞くと、同じ種類の製品を提供する企業を思い浮かべがちですが、顧客の視点では、課題を解決する手段すべてが選択肢です。そのため、直接の競合だけでなく、間接的な競合や、代替手段も調べる対象になります。
競合の種類と調べる項目
競合の種類を整理します。
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 直接の競合 | 同じ顧客に、同種の製品を提供する | 同じ分野のサービス |
| 間接の競合 | 同じ課題を、別の形で解決する | 異なる分野の製品 |
| 代替手段 | 顧客が現在使っている方法 | 手作業、表計算ソフト |
| 何もしない | 課題を放置する選択 | 現状維持 |
調べる項目の例は、次のとおりです。
- 対象としている顧客
- 提供している価値と機能
- 価格の考え方や提供の仕方
- 強みと弱み
- 顧客の評価(公開されている範囲)
- 顧客が競合を選ぶ理由、選ばない理由
調べる方法は、公開情報の確認に加え、顧客に「どの方法を比べて選んだか」を直接聞くことが有効です。他社の批判や、確証のない推測は避け、公開された事実に基づいて整理します。
調査の結果は、自社の位置づけを決める材料にします。
実務での使い方・具体例
架空の例として、小規模な事業者向けの業務サービスを検討するチームが、競合分析を行います。公開情報で、同種のサービスの提供内容と対象の顧客を整理します。さらに、顧客に聞くと、実際には、表計算ソフトによる手作業が最も多く使われていると分かります。
この情報から、直接の競合との機能の比較より、手作業から移行する際の手間と不安をどう解消するかが重要だと判断できます。「何もしない」という選択をしている顧客の理由も聞き、価値提案を磨きます。
結果は、競合ごとの特徴と、顧客が選ぶ理由を一覧にして共有します。定期的に更新し、市場の変化や新しい競合の登場を、早めに捉えられるようにします。
調べた内容は、定期的に更新する担当と時期を決めておきます。市場の変化は早く、新しい選択肢が現れるため、更新の仕組みがないと、競合の情報はすぐに古くなってしまいます。
よくある誤解と注意点
誤解されやすいのは、競合分析を、機能の比較表を作る作業と捉えることです。機能が多いかより、顧客がなぜそれを選ぶかが重要です。機能の比較だけでは、選ばれる理由は分かりません。
また、競合が存在しないと結論づけてしまう失敗があります。顧客に課題があるなら、必ず何らかの対処法があるはずです。直接の競合がいなくても、代替手段や、現状維持という選択を調べます。
さらに、競合の情報を断定的に評価する際は、公開情報の範囲を超えた推測を避けます。他社を不当に批判したり、根拠のない情報を載せたりしないよう、事実に基づいて整理することが大切です。
顧客に話を聞く際は、自社の製品を使っていない人にも会います。使っていない理由は、競合を選んだ理由や、何もしない理由を直接知る貴重な機会であり、分析の質を高めます。
関連用語
- 代替品:競合分析で必ず見るべき、同じ目的を別の方法で満たす手段です。
- 3C分析:競合の欄を含む、事業環境を整理する枠組みです。
- ポジショニング:競合との関係から、自社の位置づけを決める考え方です。
- ポジショニングマップ:競合分析の結果を、位置関係として可視化する図です。
Otsumuに相談できること
競合の調べ方は、顧客の選択の実態に基づくことが大切です。Otsumuでは、競合と代替手段の整理、自社の位置づけの検討について支援を行っています。
新規事業の戦略づくりは新規事業戦略支援で扱っています。進め方の整理だけでも構いませんので、状況に合わせて30分の無料相談をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04