営業利益とは
営業利益とは、会社が本業の活動によって生み出した利益のことです。売上高から売上原価を引いた売上総利益から、さらに販売費及び一般管理費(人件費、広告費、家賃など)を差し引いて計算します。
融資や投資で利息を得た、あるいは資産を売って利益が出たといった本業以外の損益は含まれません。そのため、本業そのものがどれくらい稼ぐ力を持つかを知るのに向いた段階です。
仕組み・ポイント
営業利益は次の式で表されます。
- 売上高から売上原価を引くと、売上総利益になります。
- 売上総利益から販売費及び一般管理費を引くと、営業利益になります。
どの費用を売上原価に入れ、どの費用を販売費及び一般管理費に入れるかは、事業の性質や会計方針によって異なります。たとえば、ソフトウェアの提供では、サーバー費用やサポートの人件費をどちらに置くかで売上総利益が変わります。比較するときは、費用の分類のルールをそろえることが重要です。
実務での使い方・具体例
以下は、状況を一般化した架空の例です。実際の事業では、自社の契約や数字に合わせて読み替えてください。
新規事業の黒字化の目標を決めるとき、営業利益が黒字になる時点を一つの目安にします。売上が伸びても、広告費や採用費が先行すれば営業利益は赤字のままです。どの費用がどの水準の売上で吸収されるかを、事業計画の中で試算します。
事業ごとに営業利益を算出するときは、本社の共通費をどう配分するかを決めておきます。配分の方法によって事業の採算が変わるため、判断の目的に応じて、共通費を含める場合と含めない場合の両方を見ておくと、撤退や継続の議論がしやすくなります。
実務でのチェックポイント
- 売上原価と販売費及び一般管理費の分類ルールを、期間をまたいで統一する。
- 広告費や採用費など、将来の成長に向けた支出の割合を、費用の内訳で確認する。
- 営業利益が黒字になる売上水準を、試算表で一度計算してみる。
- 共通費を含めた場合と含めない場合の、事業別の営業利益を両方見る。
- 月次と年次の両方で推移を追い、季節による変動を把握する。
よくある誤解と注意点
- 営業利益は現金の増加ではありません。入金の時期や減価償却の影響があります。
- 営業利益が黒字でも、借入の利息が重ければ最終的には赤字になる場合があります。
- 一時的な広告費の抑制で営業利益が良く見えることがあります。成長に必要な投資を削っていないかも確認します。
- 国や会計基準により、損益の表示区分が異なる場合があります。
営業利益の改善策を考えるときは、売上を伸ばす方法と、費用を見直す方法を分けて検討します。どちらも一長一短があるため、新規事業の段階に応じて、どの費用が成長に必須で、どの費用が見直せるのかを線引きしておきます。
営業利益の目標を設定するときは、売上の目標だけでなく、その売上を実現するための広告費や人員の計画も併せて記述します。目標だけが先行すると、現場の施策と数字が結びつかなくなります。数字の根拠を計画書に残しておくことが大切です。
なお、制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- 経常利益:営業利益に営業外の損益を反映した利益
- 損益計算書(P/L):営業利益を含む表全体
- 粗利・粗利率(グロスマージン):営業利益の手前にある粗利の考え方
- EBITDA:営業利益に近い利益の指標
Otsumuに相談できること
事業の黒字化に必要な売上水準や、費用の持ち方の設計は、新規事業の計画の中核です。損益の構造を一緒に整理したい場合にご相談いただけます。詳しくは新規事業の戦略・事業計画の支援ページをご覧ください。
論点の整理から始めたい段階でも、30分の無料相談をご利用いただけます。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04