← 用語集:会計・税務

OTSUMU KNOWLEDGE

減価償却とは?意味・仕組みと使い方

減価償却とは、数年以上使う資産の取得費用を、使える期間にわたって少しずつ費用にする処理です。支払った時期と費用になる時期を分けて考えるときに用います。新規事業の数字を読むときの基本として押さえたい用語です。

減価償却とは

減価償却とは、建物、機械、パソコン、ソフトウェアのように、数年以上使う資産の購入代金を、購入時に一度で費用にするのではなく、使える期間に分けて少しずつ費用にしていく会計の処理です。

たとえば、数年使う設備を買った場合、その設備は購入した年だけでなく、使い続ける数年間にわたって事業に貢献します。そこで、費用も使う期間に対応させて配分するという考え方に基づきます。名称の「減価」は、使うことで資産の価値が減ることを表します。

仕組み・ポイント

減価償却を計算するときには、次の要素を決めます。

要素内容
取得価額資産の購入にかかった費用
耐用年数使える期間として定められた年数
償却方法毎年同額にするか、初期に多く費用にするか
残存価額使い終わった後に残る価値(制度で扱いが異なる)

主な償却方法には、毎期同じ金額を費用にする定額法と、初期に多く費用にする定率法があります。どの方法を使えるか、耐用年数がどう決まるかは、資産の種類や制度によって異なります。税務上の扱いと会計上の扱いが異なる場合もあり、決算で調整が必要になることがあります。

実務での使い方・具体例

以下は、状況を一般化した架空の例です。実際の事業では、自社の契約や数字に合わせて読み替えてください。

新規事業で、サービスを動かすための設備や、自社開発したソフトウェアを資産として計上することがあります。そのとき、償却費が毎月の費用として積み上がるため、損益計画に反映しておかないと、黒字化の時期を見誤ります。

償却費は現金の支出を伴わない費用です。そのため、利益が小さくても手元の現金はあまり減っていない、あるいは利益が出ていても投資のための現金が減っている、といった違いが生まれます。資金繰りの計画では、償却費ではなく、設備の購入時に支払う現金の時期で見ていきます。

実務でのチェックポイント

  • 購入する資産が、償却の対象か、購入時に費用になるかを事前に整理する。
  • 耐用年数と償却方法を決め、毎月の償却費を計画に入れる。
  • 資産の購入による現金の支出時期を、資金繰り表で別に管理する。
  • 社内の資産台帳を整え、除却や売却の際に処理漏れがないようにする。

よくある誤解と注意点

  • 償却費は現金の支出ではありません。利益から償却費を除いて考えると、現金の動きに近づきます。
  • 償却の方法や耐用年数は、自由に決められるわけではなく、制度に沿った選択が必要です。
  • 資産の価値が実際に下がった場合は、償却とは別の処理(減損など)を検討します。
  • 少額の資産に関する特例など、取扱いが変わる制度もあるため、確認が必要です。

自社開発のソフトウェアなど、形のない資産にも償却の考え方が適用されることがあります。形がないからといって対象外と決めつけず、会計の方針と合わせて確認する姿勢が必要です。

資産の使用を始めた時期によって、その年度に計上する償却費が変わります。購入の時期を決算期の直前にするか直後にするかで、初年度の費用が変わる点も覚えておくと便利です。

なお、制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。

関連用語

Otsumuに相談できること

設備やソフトウェアへの投資は、費用になる時期と現金が出る時期にずれが生じます。新規事業の投資計画を、利益と資金の両面から確認したいときにご相談ください。詳しくは新規事業の戦略・事業計画の支援ページをご覧ください。

論点の整理から始めたい段階でも、30分の無料相談をご利用いただけます。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04

あわせて読む

次の一手を、一緒に。

事業の検証から開発・運用まで、現在の段階に合わせて支援します。

事業について相談する ↗
FROM KNOWLEDGE TO ACTION

知識を、次の一手へ。

30分の無料診断で、次の一手を整理する ↗