偽装請負とは
偽装請負とは、契約の形式は請負や業務委託などであるにもかかわらず、実際には、発注側が受託側の労働者を直接指揮命令しているような状態をいいます。 実態が労働者派遣に当たるのに、必要な手続きを避けている状態と説明されることもあります。
契約書には「請負」と書かれていても、現場での指示の出し方が、派遣に近い状態だと、問題となる場合があります。新規事業で外部の会社の人員とチームを組む場面で、起こりやすい論点です。
仕組み・ポイント
確認すべき観点を整理します。
- 業務の指示の主体:仕事の指示を出すのは、受託側か、発注側かを確認します。
- 勤務管理の主体:出退勤や休暇の管理を、誰が行うのかを確認します。
- 成果物の特定:請負では、完成すべき成果が特定されているかを確認します。
- 道具・費用の負担:必要な設備や費用を、誰が負担しているかを見ます。
- 現場の実態:発注側と受託側の人員が、同じチームのように混在していないかを見ます。
進め方の手順
- 依頼する業務と成果物の範囲を明確にする。
- 連絡や指示の経路を、受託側の責任者経由に整理する。
- 現場の担当者に、依頼のルールを共有する。
- 運用が契約と合っているか、定期的に点検する。
判断の目安
点検の目安は、「受託側の人員に、発注側の担当者が直接、日々の作業を指示していないか」です。進捗の確認と、作業の指示を区別し、必要な連絡は受託側の責任者を通じて行う運用が、一つの工夫になります。判断が難しい場合は、専門家に確認してください。
確認したい質問
- 受託側への連絡は、責任者を通して行っているか。
- 現場の担当者は、依頼のルールを理解しているか。
- 契約の内容と、現場の実態が合っているか点検したか。
実務での使い方・具体例
架空の例として、新規事業の開発で、外部の会社に開発を依頼するとします。発注側の担当者が、受託側の開発者に日々の作業の指示を直接出し、勤務時間も管理している場合、実態が請負の形から離れます。そこで、発注側は成果物と期限を示し、受託側の責任者を通じて連絡する、といった運用に改めます。判断に迷う場合は、専門家に確認します。
なお、外部の会社との連携を避ける必要はありません。成果物と期限の合意、受託側の責任者との定期的な打ち合わせ、課題の共有など、適切な連携の方法はあります。重要なのは、連携の形を整えたうえで、現場に周知することです。
運用を点検する際は、現場の担当者の声を聞くことも有効です。実際にどのようなやり取りをしているかを確認し、気づいた点があれば、早めに改善します。問題を放置せず、早期に相談する姿勢が大切です。
受託側との関係では、責任者同士の定期的な打ち合わせを設けると、進捗と課題を共有でき、現場での直接の指示を減らせます。必要な情報の伝達は、責任者を通して行う運用にそろえてください。
よくある誤解と注意点
- 契約書の整備だけでは足りません。現場の運用が問われます。
- 「外部の人員と一緒に働く」場面ほど、気づかないうちに起こりやすくなります。
- コミュニケーションを避ける必要はありませんが、指示の出し方に工夫が必要です。
- 発注側が責任を負う場合があります。
- 個別の判断は専門家に確認します。
なお、制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。ここでの説明は一般的な考え方であり、個別の事案についての助言ではありません。
関連用語
- 労働者派遣:派遣と請負の違いを理解するための基本です。
- 請負契約・準委任契約:請負と準委任の契約の基本的な違いです。
- 労働者性:働き方の実態を重視して判断する考え方です。
- 再委託:外部の会社へ業務を任せる際の関連論点です。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04