REST APIとは
REST APIとは、Webページの表示にも使われる通信の仕組み(HTTP)を使って、システム同士がデータをやり取りするためのAPIの設計スタイルの一つです。RESTはRepresentational State Transferの略で、この考え方に沿って作られたAPIはRESTful APIとも呼ばれます。
平易に言えば、「住所(URL)と依頼の種類を決まった形で書けば、どのシステムからでも同じようにデータを受け取れる窓口」です。たとえば「この住所にある顧客情報をください」「この住所に新しい注文を登録してください」という依頼を、共通のルールで送ります。
APIはApplication Programming Interfaceの略で、ソフトウェア同士がやり取りするための窓口のことです。REST APIは、Webサービスや業務システム、スマホアプリの裏側で最も広く使われているAPIの形式です。
仕組みと設計の基本
REST APIでは、扱う対象(リソース)をURLで表し、それに対する操作をHTTPメソッドで表します。顧客情報を例にすると、次のようになります。
| 操作 | HTTPメソッド | URLの例 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 一覧取得 | GET | /customers | 顧客の一覧を取得 |
| 1件取得 | GET | /customers/123 | 顧客123の情報を取得 |
| 新規登録 | POST | /customers | 顧客を新しく登録 |
| 更新 | PUT・PATCH | /customers/123 | 顧客123の情報を更新 |
| 削除 | DELETE | /customers/123 | 顧客123を削除 |
やり取りするデータは、JSONという形式が一般的です。結果はステータスコードという数字で返され、成功、入力の誤り、認証の失敗、サーバーの障害などが区別されます。
REST APIの設計で押さえておきたい点は次のとおりです。
- 認証の方式(APIキー、OAuthによるトークンなど)
- 一度に取得できる件数と、続きを取得する方法(ページング)
- 呼び出し回数の上限(レート制限)
- エラー時に返す情報の形式
- 仕様変更時のバージョンの扱い
実務での使い方・具体例
ある会社が、自社のECサイトの注文データを、物流会社の倉庫管理システムに自動で連携したいとします。物流会社がREST APIを公開している場合、連携は次のように進みます。
- 物流会社のAPI仕様書を入手し、注文登録や出荷状況取得のURLとデータ形式を確認する
- 認証の方式とテスト用の環境があるかを確認する
- 注文が確定したら、出荷依頼をPOSTで送る処理を作る
- 定期的に出荷状況をGETで取得し、ECサイトの注文ステータスと追跡番号を更新する
- 通信の失敗や、相手側の一時的な停止に備えて、再送や通知の仕組みを作る
連携の開発では、相手側のAPIの仕様が品質と費用を大きく左右します。発注前に「連携先にAPIはあるか」「仕様書は公開されているか」「テスト環境はあるか」「呼び出し回数の上限はどの程度か」を確認しておくと、見積もりの精度が上がります。
また、自社のシステムにREST APIを用意しておくと、スマホアプリ、パートナー企業、社内の別システムなどから同じデータを利用でき、将来の拡張がしやすくなります。
よくある誤解と注意点
APIがあれば簡単に連携できるという誤解。 APIは窓口にすぎず、データの項目の対応付け、エラー時の処理、二重登録の防止など、連携の設計には手間がかかります。
障害時の処理を考えない。 相手のシステムが止まっている間のデータをどう扱うか、再送で二重に登録されないかは、連携開発で最も重要な論点の一つです。
仕様変更への備えがない。 連携先のAPIは、バージョンの更新や廃止が行われることがあります。変更の通知を受け取る方法と、保守での対応範囲を決めておきましょう。
自社APIの仕様書を残さない。 自社でREST APIを作る場合、どのURLに何を送ると何が返るかを文書化しておかないと、アプリや外部パートナーの開発が進めにくくなります。OpenAPIのような標準的な形式で仕様を記述しておくと、仕様書の自動生成やテストにも活用できます。
関連用語
- GraphQL:必要なデータを1回の問い合わせで指定して取得できるAPIの方式
- Webhook:イベント発生時に相手へ通知を送る、APIと組み合わせて使う仕組み
- OAuth:APIの利用を安全に許可するための認可の仕組み
- バックエンド:REST APIを提供・利用するサーバー側の処理
- iPaaS:複数のサービスのAPIをつなぐ連携基盤のサービス
詳しくは「API連携とは何か」と「API連携の障害対策」で解説しています。
Otsumuに相談できること
Otsumuは、連携先のAPI仕様の確認から、データの対応付け、障害時の処理設計、運用監視まで含めたAPI連携の開発を支援しています。「手作業で転記している業務をつなぎたい」という段階からでもご相談いただけます。
詳しくはAPI連携開発のページをご覧ください。連携できるかどうかの確認も、30分の無料相談でお気軽にどうぞ。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01