SLO・SLI(サービスレベル目標・指標)とは
SLI(Service Level Indicator、サービスレベル指標)とは、サービスの品質を測るための具体的な数値の指標です。たとえば「リクエストのうち、成功した応答の比率」や「応答にかかった時間」などが該当します。SLO(Service Level Objective、サービスレベル目標)とは、そのSLIについて、一定の期間で達成を目指す目標値です。
SLIは「測る物差し」、SLOは「その物差しで目指す水準」と覚えると整理しやすくなります。
「落ちない」「速い」といった漠然とした期待を、測れる数値と合意した目標に置き換えることで、品質についての議論を、感覚から根拠のあるものへ変えられます。
仕組み・ポイント
SLI・SLOを決める手順は、おおむね次のとおりです。
- 利用者にとって重要な操作を選ぶ:購入、ログイン、検索など
- 測る指標(SLI)を決める:成功の比率、応答の速さなど
- 目標(SLO)を決める:期間(月間など)と目標の水準
- 計測と見直し:実際の状況を測り、定期的に目標を見直す
| 用語 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| SLI | 品質を測る指標 | 成功した購入処理の比率 |
| SLO | 指標の目標 | ある期間において、成功の比率が目標以上であること |
| SLA | 顧客との合意(契約) | 目標を下回った場合の取り決め |
SLOは、高ければ高いほどよいわけではありません。水準を上げるほど、運用の費用と負担が増えます。利用者が気にしない水準を超えて追求しても、事業の価値には結びつきません。また、SLAは契約上の約束であり、通常、社内のSLOはそれよりも少し厳しめに設定されます。
実務での使い方・具体例
架空の例として、予約サービスで「予約の登録」が最も重要な操作だと決めたとします。SLIは「予約登録のリクエストのうち、正常に完了した比率」と「完了までの時間」とし、SLOは「月単位でこの比率を一定の水準以上に保つ」と定めます。
目標を下回りそうになったら、新機能の開発より、安定性の改善を優先するというルールも、あらかじめ合意しておきます。この合意があると、機能追加の要望と、安定性の確保の間の優先順位の議論が、感覚の対立ではなく、数値に基づく判断になります。見直しの場を月に一度設けることも有効です。
目標は、守れなかったときの影響を想像しながら決めると、現実的な水準になります。
判断のチェックポイント
- 利用者にとって最も重要な操作を、絞り込んだか
- 指標の計算方法(何を成功とみなすか)を定義したか
- 目標の期間と水準を、事業の価値に見合う範囲で決めたか
- 計測の仕組みと、結果を確認する場を用意したか
- 目標を満たせなかった場合の対応を、合意したか
- 目標を、定期的に見直す手順があるか
よくある誤解と注意点
- 数値が高いほどよいとは限らない:水準を上げると、費用が急増します。
- 測れるものを何でも指標にしない:利用者の体験に結びつくものを選びます。
- SLOとSLAは同じではない:SLAは顧客との約束で、SLOは社内の目標です。
- 一度決めて終わりにしない:事業の状況に合わせて見直します。
- 初期の事業で細かく設定しすぎない:重要な操作に絞って始めます。
関連用語
- エラーバジェット:目標に対する許容の余地
- 稼働率:サービスが利用できた割合
- SLA(サービスレベル合意):顧客との間で合意する品質の条件
- SRE:信頼性を設計する考え方
Otsumuに相談できること
品質の目標は、決めるほど費用が増える性質があるため、事業の段階に見合う水準を見極める判断が重要です。Otsumuでは、検証段階のサービスで、最低限どこまでの品質を目標にするかを、ご一緒に整理できます。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04