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株式会社カーブスホールディングス「カーブス」に学ぶフランチャイズと会費制の事業設計

「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を国内1,996店舗(うちFC1,914店舗)で展開し、会員86.3万名の会費と会員向け物販で成り立つカーブス。2025年8月期の売上高37,566百万円、売上高営業利益率16.9%の構造を読み解きます。

この事例の要点

  • 株式会社カーブスホールディングスは、「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」を国内1,996店舗(直営82店舗、FC1,914店舗)、会員86.3万名の規模で展開し、2025年8月期の売上高は37,566百万円(前期比5.9%増)、営業利益は6,342百万円(16.2%増)で、いずれも過去最高でした(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。
  • フランチャイズ店を含めたチェーン売上は856.0億円で、会費・入会金売上626.4億円と会員向け物販売上229.5億円から成ります(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。
  • 広告宣伝費は、会員数増加に伴いフランチャイズ加盟店からの広告分担金の供出額が増えたことなどで前期比減少し、売上高営業利益率は15.4%から16.9%に上がりました(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

どんな事業か

同社グループは、主力事業のカーブスなどを通じて健康寿命の延伸に寄与する「地域密着の健康インフラ」を掲げ、会員満足度向上、会員数拡充、店舗網拡大に努めていると説明しています。事業はカーブス事業の単一セグメントです(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

国内のカーブス(メンズ・カーブスを除く)店舗数は2025年8月末で1,996店舗(前期末比18店舗増)、内訳は直営82店舗、FC1,914店舗で、当期の新規出店は25店舗、閉店・統合は7店舗でした。会員数は81.7万名から4.6万名純増して86.3万名となりました。このほか、男性向けの「メンズ・カーブス」が25店舗、新ブランドが37店舗、欧州カーブスが124店舗です(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

収益の仕組み

チェーン全体のお金の流れは、会員が支払う会費・入会金と、会員向け物販の2本です。フランチャイズ店を含めたチェーン売上(会費入会金売上と会員向け物販売上の合計)は856.0億円(前年同期間比5.7%増)で、うち会費・入会金売上が626.4億円(6.3%増)、会員向け物販売上が229.5億円(4.0%増)でした。会員向け物販は「食生活の相談強化月間」の展開により過去最高となり、期末の定期便契約者数も過去最高です。連結売上高37,566百万円とチェーン売上の関係(直営店売上やフランチャイズ加盟店からの収入の内訳)は、今回参照した公開資料には示されていません(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

会員の獲得と維持では、年3回の新規入会募集キャンペーンを行い、TV・WEBを中心としたメディアミックスマーケティング、口コミ紹介マーケティング、地域密着プロモーションを展開しました。顧客満足度の向上により月次退会率は過去最低水準です。費用面では、販売費及び一般管理費が前年同期比19百万円増加しました。インストラクター7,000名強を集めた研修などによる教育費や人件費の増加が要因で、一方で広告宣伝費は、フランチャイズ加盟店からの広告分担金供出額の増加とマーケティング効率の改善により減少しました(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

数字で確かめる

  • 売上高37,566百万円(5.9%増)、営業利益6,342百万円(16.2%増)、経常利益6,481百万円(18.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,303百万円(20.6%増)(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。売上の伸び以上に利益が伸びていることが読み取れます。
  • 売上高営業利益率16.9%(前期15.4%)(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。広告分担金の増加とマーケティング効率の改善が利益率に効いたことが読み取れます。
  • 会員数86.3万名(4.6万名純増、5.6%増)、店舗数1,996店舗(0.9%増)(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。店舗数より会員数の伸びが大きく、既存店の会員が増えていることが読み取れます。
  • 2026年8月期予想は売上高413億円(9.9%増)、営業利益73億円(15.1%増)、会員数90万~91万名(2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。会員数の純増を前提に計画が組まれていることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事業は「フランチャイズ」と「会費制(メンバーシップ)」の型が組み合わさったものと読めます。1,996店舗のうち1,914店舗がFC店であり、店舗の出店と運営は加盟店が担い、本部は業態・ブランド・集客・研修・物販商品を提供する分業と考えられます。会員は会費を払い続けるため、チェーン全体では会員数と継続期間が売上の土台となり、本部・加盟店の双方にとって退会率を下げることが最も効く変数になると考えられます。

裏側で必要な仕事は、集客と教育を本部が担うことだと読めます。年3回のキャンペーンとメディアミックスの広告を本部が設計し、その費用の一部を加盟店が広告分担金として負担する仕組みは、会員が増えるほど分担金が増え、本部の広告宣伝費の負担が軽くなる構造です。営業利益率の改善はこの仕組みの結果だと考えられます。研修への支出は、退会率が現場の人の質で決まるという認識の表れと読めます。

トレードオフは、会員向け物販の原価です。同社は主力商品プロテインの主原料の価格高騰と円安による粗利率の悪化を見込み、2026年8月期第1四半期は売上が伸びても営業利益が減る見通しと説明しています。会費に物販を重ねると売上は積み上がりますが、物販は仕入原価と為替の影響を受けるため、会費制の安定性とは異なるリスクを持ち込むと考えられます。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の会員・顧客について、新規獲得の数だけでなく月次の解約率を追い、最優先の指標にしているか。
  • 店舗や拠点の運営を外部パートナーに任せる場合、本部が担うべき仕事(集客、教育、商品開発)は何か。
  • 集客費用を、成果に連動して加盟店・パートナーと分担する仕組みを設計できるか。
  • 会費に物販を重ねるとき、原価や為替の変動リスクをどこまで受け入れるか。

小さく試すなら

  1. 既存顧客の継続データから月次の解約率を算出し、解約が集中する時期(入会後何か月目か)を特定する。
  2. 解約が集中する時期の顧客に向けて、現場スタッフによる声かけや相談の機会を設け、4〜8週間で解約率の変化を測る。
  3. 会員向けに定期的に届ける商品を1〜2品目選び、少数の会員に案内して申込率と継続率を確認する。解約率の低下と物販の継続率が確認できれば、研修内容と商品ラインの拡充に進む。

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資料の位置づけ

企業・サービス:株式会社カーブスホールディングス / 女性向けフィットネスのフランチャイズ「カーブス」。参照資料:2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.27

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