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株式会社マンダム「ギャツビーなどの男性向け・女性向けブランド」に学ぶ国別事業の事業設計

日本・インドネシア・海外その他の3セグメントで売上高76,183百万円を上げる構造です。国内が好調な一方でインドネシアが営業損失となった、国別で収益が分かれる姿を、2025年3月期の決算短信から確かめます。

分類:企業事例 › 食品・消費財

この事例の要点

  • 株式会社マンダムは、日本、インドネシア、海外その他の3つのセグメントで事業を展開し、2025年3月期の売上高は76,183百万円(前期比4.0%増)、営業利益は1,028百万円(同49.1%減)でした(2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。
  • 日本は男性事業の「ギャツビー」ブランドが好調で営業利益1,606百万円(前期589百万円)と伸びた一方、インドネシアは売上高が減り営業損失1,810百万円となりました(同上)。
  • 売上は伸びても、国別の事情で営業利益が大きく動く、ブランド型の海外展開の難しさが数字に出ています(同上)。

どんな事業か

株式会社マンダムは東京証券取引所に上場し、決算短信では、男性事業の「ギャツビー」ブランドや、インドネシアの女性事業の「PIXY」ブランドなどに言及しています。同社は2027年のありたい姿「VISION2027」の実現に向けた中期経営計画を「成長基盤構築期」と位置づけ、施策を進めていると説明しています(2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。

決算短信では、同社の海外グループの事業エリアであるアジア経済は、景気の持ち直しに足踏みがみられる地域があるものの、概ね堅調に推移したと述べています。報告セグメントは、日本、インドネシア、海外その他に分かれています(同上)。

収益の仕組み

決算短信の記載から、収益の構造は次のように整理できます。整理はOtsumuによるもので、事実は資料の記載の範囲です。

  • 入り口:特定の顧客層に向けたブランド(男性向けの「ギャツビー」、女性向けの「PIXY」など)を、国ごとに展開する。
  • 課金:ブランドの商品の販売。日本では「ギャツビー」ブランドの売上高が好調で、日本の売上高は40,354百万円(前期比6.2%増)でした。
  • 継続:ブランドの認知と、国別の販売体制の維持。インドネシアでは「PIXY」ブランドおよび「ギャツビー」ブランドの売上高が減少し、原価率の上昇もあって営業損失となりました。

キャッシュ・フローの面では、営業活動によるキャッシュ・フローは4,924百万円の収入(前期は6,812百万円の収入)で、投資活動では有形固定資産の取得に1,535百万円を支出し、財務活動では配当金の支払いに1,801百万円を使ったと記載されています(2025年3月期 決算短信)。利益が小さくなった年でも、営業活動で資金を生み出していることが分かります。

数字で確かめる

  • 連結:売上高76,183百万円(前期比4.0%増)、営業利益1,028百万円(同49.1%減)、経常利益2,180百万円(同26.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,859百万円(同28.5%減)(2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))。増収でも利益が半分近くに減ったことが読み取れます。
  • 日本:売上高40,354百万円(前期比6.2%増)、営業利益1,606百万円(同172.2%増)(同上)。販売費および経費が増加したものの、売上総利益が増加したことが読み取れます。
  • インドネシア:売上高13,430百万円(前期比8.7%減)、営業損失1,810百万円(前期は25百万円の営業損失)(同上)。売上の減少と原価率の上昇が重なると、損失が大きく広がることが読み取れます。
  • 海外その他:売上高22,398百万円(前期比9.2%増)、営業利益1,324百万円(同6.5%減)(同上)。売上高の増加は主として円安による円換算額の増加で、利益は経費の増加で減ったことが読み取れます。
  • 財務:総資産97,492百万円、自己資本比率71.7%、営業利益率1.3%(同上)。財務の余力は大きい一方、利益率は低い水準であることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事業は、ブランドごとに顧客層を絞り、国ごとに展開する構造として読めます。日本の利益改善が男性事業の「ギャツビー」の好調によるものと説明されているように、ブランドが顧客に選ばれている国では、売上の増加が利益に結びつきやすいと考えられます。

一方で、同じブランドがインドネシアでは売上を減らしています。決算短信は、主因として女性事業「PIXY」と「ギャツビー」の売上減少を挙げています。国別にセグメントを分けて開示していることで、どこで利益が出ていて、どこが課題なのかが見えやすくなっています。ブランド型の海外展開では、ある国の売上が崩れたとき、固定的な経費や原価が残り、損失が大きくなりやすいと読めます。海外その他で売上が増えた主因が円安だという説明も、為替が見かけの成長に影響することを示しています。

この年の数字からは、売上を伸ばすことと利益を残すことは別の課題だということが読み取れます。なお、本ページは2025年3月期の資料にもとづいており、その後の動きは各社の最新の開示をご確認ください。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の売上は、地域・顧客層・商品別に分けたとき、利益が出ている部分と出ていない部分はどこですか。
  • 売上が下がったときも残る固定費や原価は、どれくらいありますか。
  • 為替や外部要因で見かけの売上が増えていないか、確認できていますか。

小さく試すなら

  1. 過去1年の売上と、わかる範囲の経費を、地域・顧客層・商品別に並べた表をつくります。
  2. 利益が出ていない区分について、売上が減った要因と、原価・経費が増えた要因を分けて書き出します。
  3. 要因のうち自社で動かせるもの(価格、仕入れ、販促費など)を1つ選び、2〜4週間の小さな見直しを実行します。
  4. 見直し前後で売上と利益の変化を記録し、続けるかどうかを判断します。

関連するビジネスモデル

この事例に直接対応するビジネスモデルの型は、公開資料からは特定していません。

資料の位置づけ

企業・サービス:株式会社マンダム / 男性向け・女性向けブランド。参照資料:2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(企業の決算短信または年次報告書)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.25

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