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Xponential Fitness, Inc.「ブティックフィットネスのブランド束ね」に学ぶ複数ブランド・フランチャイズの事業設計

Club Pilates、Pure Barreなど5ブランドを束ねるXponential Fitness。2025年度は売上3.15億ドルのうち、フランチャイズ収入が61%を占める構造に。ブランド整理と収益の組み替えを、Form 10-Kから確かめます。

分類:企業事例 › 外食・レジャー

この事例の要点

  • Xponential Fitness, Inc.は、Club Pilates、StretchLab、YogaSix、Pure Barre、BFTの5ブランドを束ねるフランチャイズ本部で、2025年末で3,097スタジオが稼働し、49州・プエルトリコ・28か国に契約を持っています(Form 10-K、2025年度)。
  • 2025年度の売上3億1,488万ドルのうちフランチャイズ収入は1億9,264万ドルで、売上に占める割合は2023年の45%から61%に上がりました(Form 10-K、2025年度)。
  • 2025年にCycleBar、Rumble、Lindoraの各ブランドを手放し、設備販売中心の収益から、ロイヤルティなど継続的な収入が中心の構成へ寄せています(Form 10-K、2025年度)。

どんな事業か

Xponential Fitness, Inc.は米国カリフォルニア州アーバインに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場しています(Class A普通株式、ティッカーはXPOF)。ピラティス、バー、ストレッチ、ファンクショナルトレーニング、ヨガなど、少人数制のブティックフィットネスのブランドをフランチャイズで展開しています(Form 10-K、2025年度)。

同社はスタジオを自ら運営するのではなく、フランチャイズ加盟者やマスターフランチャイズ(国や地域ごとに展開権を持つ事業者)が店を運営し、同社はブランド、運営ノウハウ、技術基盤などを提供します。2025年末時点で、世界で5,371のスタジオ開設権(ライセンス)を販売済みです(Form 10-K、2025年度)。

収益の仕組み

収益は、フランチャイズ関連の収入と、設備・物販などに分かれます。2025年度の売上の内訳は次のとおりです。

  • フランチャイズ収入:1億9,264万ドル(61%)。うちロイヤルティが1億3,000万ドル、地域権料が3,490万ドル、技術料が1,570万ドル、研修料が1,200万ドル。
  • 設備収入:3,502万ドル(11%)。スタジオ開設時の機器の販売で、開設数に連動します。
  • 物販収入:2,391万ドル(8%)。
  • フランチャイズ・マーケティング基金収入:3,647万ドル(12%)。
  • その他のサービス収入:2,684万ドル(8%)。

同社は、加盟者の売上の約7%をロイヤルティ、約2%をマーケティング基金として受け取ると説明しています。つまり、スタジオの売上が積み上がるほど、同社の継続収入も増える構造です(Form 10-K、2025年度)。

数字で確かめる

  • 全体売上:314,879千ドル(前年320,346千ドル、1.7%減)。設備収入などの減少で、全体はわずかに減ったことが読み取れます(Form 10-K、2025年度)。
  • フランチャイズ収入:192,642千ドルで10.4%増。ブランドの整理後も、継続収入は伸びていることが読み取れます(Form 10-K、2025年度)。
  • 設備収入:35,022千ドルで35.4%減。新規開設の減少で、開設に連動する収入が小さくなったことが読み取れます(Form 10-K、2025年度)。
  • 北米のスタジオの全店売上:1,746,134千ドル(前年1,551,407千ドル)で、1店あたり平均売上(直近12か月)は695千ドル。ブランド全体の店の売上規模が拡大していることが読み取れます(Form 10-K、2025年度)。
  • 損益:営業利益は19,848千ドルと黒字に転じたものの、利息費用が49,189千ドル、債務の消却損が27,327千ドルあり、純損失は53,671千ドル(前年98,696千ドル)でした。事業の収益よりも、金融費用の重さが最終損益に響いていることが読み取れます(Form 10-K、2025年度)。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。この事例は、フランチャイズ本部が「新規開設の数」で稼ぐ段階から、「既存スタジオの売上に連動する継続収入」で稼ぐ段階へ移る途中の姿として読めます。設備収入は開設ごとの一時的な収入ですが、ロイヤルティやマーケティング基金は加盟者の売上に連動して入ります。

複数ブランドを持つ強みは、研修、技術基盤、マーケティングなどを共通化できる点です。一方、2025年にはブランドの一部を手放しており、すべてのブランドを持ち続けるより、収益性と成長性の高いブランドに絞る判断をしたと読めます。

学べるのは、本部の収益を「開設時の収入」と「毎月の継続収入」に分けて見る視点です。加盟者の売上が伸びなければ継続収入も伸びないため、本部の成果は加盟者の成功と強くつながっています。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の収益のうち、一度きりの収入と、毎月続く収入の比率はどうなっているか。
  • 複数の商品・ブランドを持つとき、共通化できる機能と、個別に持つべき機能をどこで分けるか。
  • 手放すブランドや事業を決める基準を、事前に言葉にしているか。

小さく試すなら

  1. 1週目:直近1年の売上を、「一度きり」と「継続」に分けて表にする。
  2. 2週目:商品・ブランド・事業ごとに、売上、粗利、手間、成長の見込みを4段階で評価する。
  3. 3週目:継続収入に結びつく1商品を選び、保守・会員・定期補充などの形にできないか案を書く。
  4. 4週目:案を1〜2社の既存顧客に見せて反応を聞き、整理の判断基準に反映する。

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資料の位置づけ

企業・サービス:Xponential Fitness, Inc.(米国、ニューヨーク証券取引所上場)。参照資料:Form 10-K(2025年度、2025年12月31日終了)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(目論見書・年次報告書・企業の公式発表など)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.25

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