AWS(アマゾンウェブサービス)とは
AWS(アマゾンウェブサービス)とは、Amazonのグループ会社が提供しているクラウドサービスの総称で、サーバー、データベース、ストレージ、ネットワーク、AIなど、システムに必要な部品をインターネット経由で必要な分だけ借りて使えるサービス群です。
平易に言えば「システムを動かすための設備の巨大なレンタルショップ」です。自社でサーバー機器を買って設置し、保守する代わりに、画面やプログラムから注文するだけで数分後には使い始められ、不要になれば返却できます。
正式名称は Amazon Web Services で、その頭文字をとってAWSと呼ばれます。Google Cloud、Microsoft Azure と並んで、代表的なパブリッククラウドの一つです。
仕組み・ポイント
AWSには非常に多くのサービスがありますが、業務システムやWebサービスでよく使うものは限られています。代表的な分類は次のとおりです(サービス名は例で、内容は変わることがあります)。
| 分類 | 役割 | サービスの例 |
|---|---|---|
| サーバー(コンピューティング) | プログラムを動かす | 仮想サーバーのEC2、関数を動かすLambda、コンテナを動かすECS |
| データベース | データを保存・検索する | RDS、Aurora、DynamoDB |
| ストレージ | ファイルを保管する | S3 |
| ネットワーク・配信 | 通信の経路と高速化 | VPC、ロードバランサー、CloudFront |
| 監視・運用 | 状態の記録と通知 | CloudWatch |
| 権限管理 | 誰が何を操作できるか | IAM |
| AI | 生成AIや機械学習 | Amazon Bedrock など |
料金は基本的に従量課金で、使ったサーバーの時間、保存したデータ量、外部へ送ったデータ量などで決まります。初期費用がかからない反面、設定次第で費用が大きく変わるため、構成と使い方の設計が重要です。
AWSは世界各地に「リージョン」と呼ばれるデータセンター群を持っており、日本国内のリージョンも利用できます。データをどの地域に置くかを選べることは、取引先のセキュリティ要件に答える際の材料にもなります。
実務での使い方・具体例
ある会社が、社内で動かしている古い受発注システムをクラウドへ移すことを検討している場面を考えます。
AWSで構成を考える場合、たとえば次のような組み合わせが典型です。
- 利用者からの通信をロードバランサーで受ける
- アプリケーションは仮想サーバーやコンテナで、複数台に分けて動かす
- データベースはマネージドサービス(RDSなど)を使い、バックアップや更新作業をAWSに任せる
- 帳票PDFなどのファイルはS3に保存する
- CloudWatchで処理の遅延やエラーを監視し、異常時に担当者へ通知する
マネージドサービスを使うと、OSの更新やバックアップの手間を減らせます。その一方で、各サービスの仕様に合わせた設計が必要になり、他のクラウドへ移りにくくなる面もあります。
新規事業のMVPのように小さく始めたい場合は、関数単位で動かすサーバーレス構成を選び、利用が少ないうちは費用を抑えるという判断もよく行われます。
構成が固まってきたら、手作業で画面から設定するのではなく、IaC(Infrastructure as Code)で設定をコードとして残すと、同じ環境の再現や変更の履歴管理がしやすくなります。
よくある誤解と注意点
- クラウドにすれば安くなる、とは限らない:常時大きなサーバーを動かし続けると、自社運用より高くなることもあります。利用量に合わせた構成と定期的な見直しが前提です。
- セキュリティはすべてAWS任せではない:設備や基盤の安全はAWSが担いますが、アカウントの権限設定、データの公開範囲、OSやアプリの更新は利用者側の責任です。この考え方は「責任共有モデル」と呼ばれます。
- 管理者アカウントの扱い:最上位のアカウントを日常的に使う、複数人で共有するといった運用は危険です。人ごとに権限を分け、多要素認証を必ず設定します。
- 料金体系や仕様は変わる:サービスの料金や機能は更新されるため、見積もりや設計の前に公式の最新情報を確認します。予算を超えたら通知する設定も最初に入れておきます。
関連用語
- Google Cloud:Googleが提供するクラウド。データ分析やAIとの相性で選ばれることが多い
- Microsoft Azure:Microsoftのクラウド。Microsoft 365を使う企業と相性がよい
- サーバーレス:サーバーの管理をクラウドに任せる構成
- Amazon Bedrock:AWS上で生成AIのモデルを使うためのサービス
- 実践記事:AWS・Google Cloud・Azureの選び方:中小規模システムの判断軸
Otsumuに相談できること
オンプレミスやレンタルサーバーからAWSへの移行、新しいサービスのAWS上での構築について、費用と運用のしやすさの両面から構成を設計します。どこまでマネージドサービスに任せるか、どのくらいの冗長性が必要かも、業務の重要度に合わせて判断します。詳しくはクラウド移行をご覧ください。
30分の無料相談では、現在の構成と課題を伺い、移行の進め方をご提案します。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01