デジタルインボイス(Peppol)とは
デジタルインボイスとは、請求書の情報を、あらかじめ定められた標準の形式のデータとして、送る側と受け取る側のシステムが、直接やり取りできるようにした仕組みです。紙やPDFの請求書を、人が目で見て入力する作業を減らし、請求から支払い、会計までの流れを自動化することを目的にしています。
日本では、国際的な電子インボイスの標準の仕組みである Peppol(ペポル)に準拠した形式が、標準として整備されています。インボイス制度への対応と合わせて、事務の効率化を進めるために、関心が高まっています。
仕組み・ポイント
デジタルインボイスの仕組みを整理します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 標準の形式 | 請求書に載せる項目を、共通のデータ形式で定義 |
| 送受信の仕組み | 専用のネットワークを通じて、システムどうしがやり取りする |
| 対応の主体 | 請求を送る側、受け取る側のそれぞれが、対応するサービスを利用 |
| 期待する効果 | 入力の手間の削減、ミスの減少、支払いや記帳の自動化 |
利用するには、自社が使っている会計ソフトや請求書の発行サービスが、この仕組みに対応しているかを確認する必要があります。また、取引先も対応していなければ、データでやり取りできず、従来どおりの方法を併用することになります。
導入の時期や、費用、対応の範囲は、利用するサービスによって異なります。自社の取引の状況に応じて、段階的に導入を検討するのが現実的です。
実務での使い方・具体例
以下は、状況を一般化した架空の例です。実際の事業では、自社の契約や数字に合わせて読み替えてください。
新規事業で、クラウドの会計ソフトや請求書のサービスを選ぶ際に、デジタルインボイスへの対応は、選定の観点の一つになります。取引先が増えるにつれ、請求書の処理の手間も増えるため、早い段階で、効率的な仕組みを選んでおくと、後の移行の負担を減らせます。
ただし、導入が目的化すると、実際には取引先が対応しておらず、利用が進まないということもあります。主要な取引先に、対応の意向を確認しながら、現実的な範囲から始めることをお勧めします。
実務でのチェックポイント
- 利用中の会計ソフトや請求書のサービスの、対応状況を確認する。
- 主要な取引先の、対応の意向と時期を聞き取る。
- 電子帳簿保存法への対応と、あわせて仕組みを設計する。
- 導入前後で、請求書の処理にかかる時間を、概算で比較する。
- 対応しない取引先との、従来の方法の併用の運用も決める。
よくある誤解と注意点
- 導入しなければならない制度、というわけではありません。標準の仕組みであり、利用は事業者の判断です。
- 自社だけが対応しても、取引先が対応していなければ、効果は限定的です。
- システムの導入の費用や、運用の手間と、得られる効果を比べて判断します。
- 標準の仕様や、対応するサービスは、更新されることがあります。最新の情報の確認が必要です。
- インボイス制度や電子帳簿保存法との関係を整理して、全体として無理のない形を設計します。
取引先の数が少ないうちは、導入の効果が見えにくい場合もあります。取引の増加の見通しと合わせて、導入の時期を検討します。
なお、制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。
関連用語
- インボイス制度:適格請求書に関する制度
- 電子帳簿保存法:電子データの保存のルール
- EDI(電子データ交換):企業間の電子データ交換
- API:システムどうしをつなぐ仕組み
Otsumuに相談できること
請求や支払いの事務を、事業の拡大に合わせて整える際には、システムの選択と運用の設計が鍵になります。事務の仕組みの整理をしたいときに、ご相談ください。詳しくは新規事業の戦略・事業計画の支援ページをご覧ください。
論点の整理から始めたい段階でも、30分の無料相談をご利用いただけます。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04