ヘルススコアとは
ヘルススコアとは、利用の頻度、機能の活用、問い合わせの状況、契約の状態などを組み合わせて、顧客がどれだけ健全に製品を使えているかを評価する指標です。
平たく言えば、「この顧客は、今後も安心して使い続けてくれそうか」を点数や色で示したものです。解約のおそれがある顧客を、早めに見つけて支援するために使います。
健康診断のように、複数の項目を総合して状態を判断することから、ヘルス(健康)という語が使われています。
仕組み・ポイント
ヘルススコアは、複数の要素に重みを付けて算出します。
| 要素の例 | 意味 |
|---|---|
| 利用の頻度 | どれだけ使っているか |
| 機能の活用 | 価値の高い機能を使っているか |
| 利用者の広がり | 組織内で使う人が増えているか |
| 問い合わせ | 困りごとが増えていないか |
| 契約の状況 | 更新までの期間、支払いの状況 |
作り方の手順は次の通りです。
- 継続した顧客と解約した顧客を比べ、違いが出る要素を探す。
- 要素ごとに基準を決め、重みを仮置きする。
- 点数と、実際の継続・解約の結果を照らし合わせる。
- 当たらない要素の重みを見直す。
最初から精密にしようとせず、三〜四つの要素から始めるのが現実的です。点数が低い顧客に何をするかを決めておかないと、点数が使われないまま終わります。
実務での使い方・具体例
架空のサービスで、「直近の利用回数」「主要機能の利用」「サポートの問い合わせの傾向」の三つで顧客を三段階に分けるとします。利用が減り、問い合わせの内容が不満に傾いている顧客は、要注意に分類します。
要注意の顧客には、担当者が連絡して状況を聞き、使い方の支援を提案します。連絡の結果、課題が分かれば、製品の改善項目として開発側にも共有します。
数か月後、要注意と判定された顧客が実際に解約した割合を確認します。判定が外れていれば、要素の選び方や基準が適切かを見直します。見直しの記録を残し、スコアの質を段階的に上げていきます。
顧客の規模に合わせる
顧客の規模や契約の種類によって、健全な状態の意味は異なります。小規模の顧客と大規模の顧客を同じ基準で採点すると、どちらにも合いません。対象の層を分けて基準を設けるか、個別の対応を前提とする大口には、担当者の定性的な判断を加えます。
運用での使い方
点数は月に一度など、定期的に更新し、変化が大きい顧客を一覧にして共有します。点数が下がった顧客と、上がった顧客の両方に注目し、それぞれの要因を記録します。良い変化の要因は、他の顧客への支援の参考になります。
よくある誤解と注意点
- 点数が高ければ安心、とは限りません。 指標に表れない事情(担当者の異動、予算の変更)で解約する場合があります。
- 要素を増やしすぎると、何が原因か分からなくなります。
- 一度作った重み付けを、見直さずに使い続けると、実態から離れます。
- スコアは顧客を判断するための補助です。担当者の観察や顧客との対話に代わるものではありません。
関連用語
- カスタマーサクセス:ヘルススコアを活用する中心的な活動。
- チャーンレート(解約率):ヘルススコアで防ぎたい解約の指標。
- アクティブ率:ヘルススコアの要素となる利用の割合。
- エンゲージメント:関わりの深さを表す概念。
- リテンション(継続率):継続を測る指標。
- 関連する実践ノート:指標の定義を分母と期間まで含めてそろえる考え方をまとめています。
Otsumuに相談できること
スコアの設計は、継続した顧客と離れた顧客の違いを丁寧に見ることから始まります。要素の選び方や、点数の使い方を一緒に検討できます。 Otsumuでは、指標の定義づけや計測の整え方を KPI設計のご支援 としてご相談いただけます。まだ考えが固まっていない段階でも構いませんので、状況の整理から 30分の無料相談 をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04