パイプラインとは
パイプラインとは、営業の案件を、初回の接点から受注まで段階ごとに並べて管理する流れや一覧のことです。今どの案件がどの段階にあるかを、一目で把握するために使います。
平たく言えば、「営業の進み具合を見える化したもの」です。段階ごとの案件数と見込みの金額を見て、今後の売上の見通しを立てます。
パイプ(管)の中を流れるように案件が進むイメージから、この名で呼ばれます。
仕組み・ポイント
段階の例と、管理する情報は次の通りです。
| 段階の例 | 完了の条件の例 |
|---|---|
| 初回接点 | 担当者と連絡がついた |
| 課題の確認 | 課題と背景を聞き取った |
| 提案 | 提案書を提示した |
| 条件の調整 | 範囲・時期・条件を話し合った |
| 受注/失注 | 契約した/見送りが決まった |
運用の要点は次の通りです。
- 各段階を、完了の条件で定義する(気分ではなく、事実で判断できる条件)。
- 案件ごとに、次の行動と期日を記録する。
- 長く動かない案件を、定期的に点検する。
- 失注した案件の理由も記録する。
見込みの金額に、段階ごとの受注の確率を掛けて合計する方法もありますが、確率は過去の実績から見直す必要があります。実績が少ない段階では、過度に精密な計算に頼りすぎないようにします。
実務での使い方・具体例
架空のサービスで、週に一度のパイプライン会議を開きます。各担当者は、自分の案件の段階と次の行動を共有します。提案の段階で二か月以上動かない案件があれば、その理由を確認します。
理由が「決裁者に会えていない」ならば、決裁者への紹介を顧客の担当者に依頼する、といった次の一手を決めます。理由が「予算の時期の問題」ならば、時期を確認して再連絡の日付を記録します。
会議の目的は、数字を責めることではなく、停滞した案件の次の行動を決めることです。会議で出た決定は記録に残し、翌週に実行の結果を確認します。
見込み売上の扱い
パイプラインの合計額を、そのまま売上の予測にしないことが重要です。案件の段階が進んでいても、決裁の見通しがなければ受注の見込みは低くなります。段階の定義に、決裁者との接点があったか、予算の確認ができたかを含めると、見込みの信頼性が上がります。
段階を減らす発想
段階が多すぎると、入力の手間が増え、更新が遅れます。顧客の行動が実際に変わる節目に絞って、五段階前後で始めると運用が続きやすくなります。節目とは、たとえば課題が確認できた、決裁者と会えた、条件が合意できた、といった事実の変化です。
よくある誤解と注意点
- 案件の数を増やすことが目的になってはいけません。 見込みの薄い案件で一覧を膨らませても、見通しは良くなりません。
- 入力の更新が遅れると、一覧が実態と離れます。更新の頻度とタイミングを決めます。
- 段階の定義が人によって違うと、合計の意味がなくなります。
- 失注の記録を残さないと、同じ失敗が繰り返されます。
関連用語
- 商談:パイプラインで管理する営業の対話。
- 商談化率・受注率:段階ごとの進む割合を見る指標。
- SFA(営業支援システム):パイプラインの管理を支える仕組み。
- 営業サイクル(リードタイム):案件が受注に至るまでの期間。
- ACV・TCV:案件の金額を比較するための指標。
- 関連する実践ノート:指標の定義を分母と期間まで含めてそろえる考え方をまとめています。
Otsumuに相談できること
案件管理は、段階の定義と、会議での使い方が整って初めて役立ちます。管理項目の絞り込みや、会議の設計を一緒に検討できます。 Otsumuでは、指標の定義づけや計測の整え方を KPI設計のご支援 としてご相談いただけます。まだ考えが固まっていない段階でも構いませんので、状況の整理から 30分の無料相談 をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04