リピート率とは
リピート率とは、一度商品を購入した、あるいはサービスを利用した顧客のうち、もう一度購入・利用してくれた顧客がどれくらいいるかを示す指標です。
平たく言えば「また来てくれたお客さまの割合」です。新しい顧客を獲得するには広告や営業の費用がかかりますが、既存の顧客が繰り返し買ってくれれば、少ない費用で売上を積み上げられます。そのため、EC、飲食店、美容サロン、サブスクリプションなど、多くの事業で重要な指標として扱われています。
リピート率という言葉には決まった一つの定義があるわけではなく、会社や業界によって計算方法が異なります。比較や改善の議論をする前に、自社での定義を明確にすることが欠かせません。
代表的な計算方法と定義のそろえ方
よく使われる計算方法には、次のようなものがあります。
| 定義の例 | 計算式 | 分かること |
|---|---|---|
| 期間内のリピーター比率 | 期間内に二回以上購入した顧客数 ÷ 期間内の購入顧客数 | 顧客全体に占める常連の多さ |
| 新規顧客の再購入率 | ある期間の新規顧客のうち、一定期間内に再購入した人数 ÷ その期間の新規顧客数 | 初回の体験が次につながっているか |
| 前期顧客の継続購入率 | 前期の購入顧客のうち、今期も購入した人数 ÷ 前期の購入顧客数 | 顧客がどれくらい離れずに残っているか |
定義を決めるときは、次の点をそろえます。
- 対象期間:何日以内、何か月以内の再購入を数えるか。商品の購入周期に合わせる
- 顧客の数え方:会員IDで数えるか、非会員の購入をどう扱うか
- 除外する注文:キャンセル、返品、社内購入、テスト注文など
- 基準となる顧客の範囲:新規だけを見るか、既存顧客全体を見るか
実務での使い方・具体例
架空のペットフードの通販サイトを例にします。新規顧客は広告で順調に増えていましたが、利益が思ったほど伸びませんでした。調べてみると、初回購入した人のうち、次の購入をしてくれる人が少ないことが分かりました。
チームは、「初回購入から60日以内に再購入した人の割合」をリピート率の主な定義に決め、次の手順で改善に取り組みました。
- 初回購入の月ごとに顧客を分け、60日以内のリピート率の推移を表にする
- 再購入した人としなかった人で、初回に買った商品、流入経路、問い合わせの有無を比べる
- 再購入しなかった人の一部にアンケートやインタビューを行い、理由を聞く
- 分かった課題に合わせて施策を考え、効果を測る
分析の結果、お試しサイズを買った人の再購入が少なく、「愛犬が食べてくれるか不安だった」「次にどのサイズを買えばよいか分からなかった」という声が多く集まりました。そこで、お試し品の到着後に食いつきを確認する案内と、体重に合ったサイズの目安を送るようにしました。
施策の効果は、施策の前後の初回購入者のリピート率を比べるだけでなく、可能であれば案内を送るグループと送らないグループを分けて確かめます。季節や広告の変化による影響を区別するためです。
リピート率を改善するときの観点
- 初回の商品体験:期待どおりの価値を感じてもらえたか
- 次の購入のきっかけ:使い切る頃に思い出してもらえる仕組みがあるか
- 購入の手間:再購入の手続きが簡単か、定期購入の選択肢があるか
- 関係づくり:問い合わせ対応や同梱物などで信頼を築けているか
どの観点に課題があるかは、事業によって異なります。データで「どの顧客が、どのタイミングで離れているか」を特定し、顧客の声で「なぜ離れたか」を確かめる、という二つを組み合わせると、施策の的が絞りやすくなります。
よくある誤解と注意点
- 他社の数字と比べても意味が薄い:定義や商材、購入周期が違えば、数字は比べられません。自社の時系列の変化で評価します。
- 割合だけでなく人数も見る:新規顧客の獲得が急に減ると、計算上リピート率が上がることがあります。分子と分母の人数も確認します。
- 値引きでのリピートは長続きしにくい:クーポン頼みの再購入は、値引きがなくなると止まることがあります。利益とあわせて評価します。
- 期間の区切りで数字が変わる:購入周期が長い商品で短い期間を設定すると、実態より低く見えます。
関連用語
- F2転換率:初回購入者が二回目の購入に進む割合
- 客単価(AOV):一回の購入あたりの平均金額
- RFM分析:購買の新しさ・頻度・金額で顧客を分類する手法
- セグメント分析:顧客をグループに分けて比べる分析
- サブスクリプションモデル:継続利用を前提にした収益モデル
関連記事:コホート分析のやり方:継続率の表の作り方と改善への読み方
Otsumuに相談できること
リピート率の改善は、定義をそろえ、どの段階の顧客が離れているかを特定するところから始まります。OtsumuのKPI改善コンサルティングでは、売上をKPIツリーで分解したうえで、リピートの課題の特定から施策の優先順位付け、効果検証までを一緒に進めます。購入履歴の集計や顧客への案内を仕組み化したい場合は、CRM開発もご相談いただけます。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01