RFM分析とは
RFM分析とは、顧客の購買履歴を「最後にいつ買ったか(Recency)」「どれくらいの頻度で買っているか(Frequency)」「いくら買っているか(Monetary)」の三つの観点で評価し、顧客をランク分けする分析手法です。
平たく言えば「お客さまを、最近・よく・たくさん買ってくれているかで分類する方法」です。同じ購入金額の顧客でも、昨日買った人と一年前に一度だけ買った人では、次に取るべき対応が違います。RFM分析はその違いを分かりやすく整理します。
名称は三つの英単語の頭文字です。購買データさえあれば実施でき、特別なツールがなくても表計算ソフトで始められる手軽さから、ECや小売、サブスクリプションなど幅広い業種で使われています。
仕組み・ランクの付け方
RFM分析では、まず三つの指標を顧客ごとに計算し、それぞれを数段階のランクに分けます。
| 指標 | 計算の例 | ランクの考え方 |
|---|---|---|
| R(Recency) | 分析日から最終購入日までの日数 | 日数が短いほど高ランク |
| F(Frequency) | 対象期間内の購入回数 | 回数が多いほど高ランク |
| M(Monetary) | 対象期間内の購入金額の合計 | 金額が大きいほど高ランク |
ランクの区切り方には、主に次の二つの方法があります。
- 人数で均等に分ける:顧客を各指標で並べ、同じ人数ずつ五段階などに分ける。比較しやすい一方、区切りの値に業務上の意味はない
- 業務上の基準で分ける:「30日以内」「90日以内」「1年以内」など、商品の購入周期に合わせて区切る。施策と結び付けやすい
ランクを組み合わせると、次のような顧客グループが見えてきます。
- R・F・Mがすべて高い:優良顧客。特別な扱いや先行案内で関係を維持する
- Rは高いがFが低い:新規顧客。二回目の購入につなげる働きかけが重要
- F・Mは高いがRが低い:離反しかけている優良顧客。早めの声かけが効果的
- すべて低い:休眠顧客。費用をかけすぎず、反応があった人だけを追う
実務での使い方・具体例
架空の自然派化粧品のECサイトを例にします。全会員に同じメールマガジンを送っていましたが、配信停止が増え、売上への効果も見えにくくなっていました。
- 過去一年分の受注データから、会員ごとにR・F・Mを計算する
- 商品の使い切り期間を参考に、Rを「45日以内」「46〜90日」「91〜180日」「181日以上」で区切る
- Fは「1回」「2〜3回」「4回以上」、Mは購入金額の大きさで三段階に分ける
- 組み合わせから「優良」「新規」「離反懸念」「休眠」などのグループに整理する
- グループごとに配信内容と頻度を変え、反応と売上を比べる
たとえば「離反懸念」の会員には、以前よく買っていた商品の使い切り時期に合わせて案内を送り、「新規」の会員には使い方の紹介と二回目の購入につながる情報を送ります。施策の効果は、同じグループ内で施策を行った人と行わなかった人を比べて確かめます。
一度ランク分けをしたら、翌月以降は「どのグループからどのグループへ何人移ったか」も見ていきます。新規から優良へ移る人が増えていれば育成の施策がうまくいっている、優良から離反懸念へ移る人が増えていれば商品や体験に何か問題があるかもしれない、といった兆しを読み取れます。ランクの移動を追うことで、RFM分析は一回きりの分類から、顧客との関係の変化を見守る仕組みに変わります。
よくある誤解と注意点
- ランク分けは目的ではない:分類しただけで施策を変えなければ意味がありません。グループごとの対応方針を必ずセットで決めます。
- 商品の性質で区切りが変わる:日用品と家具では購入周期がまったく違います。他社の基準をそのまま使わず、自社の購買データから区切りを決めます。
- Mだけで顧客を評価しない:大口でも利益率の低い商品ばかり買う顧客もいます。必要に応じて粗利で評価します。
- 購買以外の行動は見えない:サブスクリプションやアプリでは、利用頻度などの行動データを組み合わせた方が実態に合うことがあります。
- 定期的に更新する:顧客は時間とともにランクが変わります。月次などで再計算し、ランク間の移動も追いかけます。
関連用語
- セグメント分析:顧客をグループに分けて比べる分析の総称
- ABC分析(パレート分析):売上への貢献度で顧客や商品を分類する手法
- リピート率:再購入する顧客の割合を表す指標
- F2転換率:初回購入者が二回目の購入に進む割合
- 客単価(AOV):一回の購入あたりの金額
関連記事:RFM分析のやり方:購買データから顧客をランク分けする手順
Otsumuに相談できること
RFM分析は、施策と組み合わせて初めて成果につながります。OtsumuのKPI改善コンサルティングでは、売上を客数・頻度・単価に分解したうえで、どの顧客グループに何をするかを決め、効果検証までを一緒に進めます。分析を毎月手作業で行っている場合は、ダッシュボード開発で自動化することもできます。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01