セグメント分析とは
セグメント分析とは、顧客やユーザーを、属性や行動などの共通点でいくつかのグループ(セグメント)に分け、グループごとの数字の違いを比べることで、改善や施策のヒントを見つける分析手法です。
平たく言えば「全体の平均で見ずに、分けて比べる」ことです。たとえば全体の継続率が横ばいでも、法人顧客では上がり、個人顧客では下がっているかもしれません。平均の数字だけでは、こうした変化は見えません。
セグメント(segment)は「区分・部分」を意味する英語です。マーケティングでは、市場を分けて狙う顧客層を決める「セグメンテーション」という言葉もよく使われ、セグメント分析はその考え方を既存の顧客データやユーザーデータに当てはめたものと言えます。
切り口の種類と選び方
セグメントの切り口は、大きく次の四つに分けられます。
| 切り口 | 例 | 分かること |
|---|---|---|
| 属性 | 業種、企業規模、年代、地域 | どんな顧客で成果が出やすいか |
| 獲得経路 | 広告、紹介、検索、展示会 | どのチャネルの顧客が定着しやすいか |
| 行動 | 利用頻度、使った機能、購入回数 | どんな使い方をする人が継続するか |
| 時期 | 登録月、初回購入月 | 施策や季節による違い(コホート分析) |
切り口を選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 施策につながる切り口を選ぶ:分けた結果を見て「次に何をするか」が決められる切り口でなければ意味がありません。
- グループの人数を確認する:人数が少なすぎるグループの数字は偶然の影響を受けやすく、判断を誤る原因になります。
- 切り口を増やしすぎない:掛け合わせるほど一つひとつのグループは小さくなります。まずは一つか二つの切り口で比べます。
- 比べる指標を先に決める:継続率、客単価、成約率など、改善したい指標を一つ決めてから分けると、結論が出しやすくなります。
実務での使い方・具体例
架空の会計クラウドサービスで、解約の多さが課題になっていたとします。全体の解約率だけを見ていても原因が分からなかったため、セグメント分析を行いました。
- 改善したい指標を「契約から半年以内の解約」に決める
- 切り口として「獲得経路」「従業員規模」「初月に銀行口座を連携したかどうか」の三つを用意する
- それぞれの切り口で、半年以内の解約の多さを比べる
- 差が大きかった切り口を深掘りする
その結果、獲得経路や従業員規模による差は小さかった一方で、初月に銀行口座を連携しなかった顧客は、連携した顧客に比べて明らかに解約が多いことが分かりました。チームは、オンボーディングで口座連携を早めに案内する施策を検討し、案内した顧客としなかった顧客を比べて効果を確かめることにしました。
このように、セグメント分析は「どこに問題が集中しているか」を絞り込み、限られた人手を効果の大きいところに向けるために使います。
分析結果を共有するときは、グループごとの人数、指標の値、全体との差を一つの表にまとめると、会議で判断しやすくなります。あわせて「この差から何を試すか」「効果をどう測るか」まで書いておくと、分析が報告で終わらず、次の行動につながります。継続的に見る切り口は、ダッシュボードに組み込んで毎月確認できるようにしておくと、変化にも早く気づけます。
よくある誤解と注意点
- 差があっても、それが原因とは限らない:「口座連携した顧客は継続する」のは、もともと熱心な顧客ほど連携しているだけかもしれません。施策を試して確かめることが必要です。
- 後付けで都合のよい切り口を探さない:切り口をたくさん試すと、偶然に差が出るものが必ず見つかります。仮説を持って切り口を選び、見つかった差は別の期間でも同じ傾向が出るか確認します。
- 平均だけでなく分布も見る:一部の大口顧客が平均を引き上げていることがあります。中央値や分布も合わせて確認します。
- セグメントの定義を固定する:「ヘビーユーザー」の基準が分析のたびに変わると、時系列で比べられません。定義を文書に残しておきます。
関連用語
- RFM分析:購買の新しさ・頻度・金額で顧客を分ける代表的な手法
- ABC分析(パレート分析):売上への貢献度で商品や顧客をランク分けする手法
- CDP(カスタマーデータプラットフォーム):顧客データを統合してセグメントを作る仕組み
- 相関と因果:セグメント間の差を解釈するときの注意点
- クイックレシオ(SaaS):収益の増減をセグメント別に見るときにも使える指標
関連記事:ユーザーセグメント分析:優良顧客の特徴を見つけて増やす方法
Otsumuに相談できること
セグメント分析は、改善したい指標と施策の選択肢が見えていると、少ない分析で結論にたどり着けます。OtsumuのKPI改善コンサルティングでは、KPIの整理から分析の切り口づくり、施策の優先順位付けと効果検証までを一緒に進めます。
データはあるが、どう分ければよいか分からないという段階でもご相談いただけます。まずは30分の無料相談で、改善したい数字をお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01