VOCとは
VOCとは、顧客が製品やサービスについて発する、意見、要望、不満、感想などの声のことです。問い合わせ、面談、アンケート、レビュー、営業の記録など、さまざまな場所から得られます。
平たく言えば、「顧客が実際に何を感じ、何を求めているか」を知るための生の情報です。製品や案内の改善、新しい価値の発見に役立ちます。
VOCはVoice of Customerの略で、日本語では顧客の声と呼ばれます。声を集めて整理し、改善につなげる取り組み全体を指すこともあります。
仕組み・ポイント
顧客の声は、集めて終わりでなく、整理して使います。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 収集 | 問い合わせ、面談、アンケートなどから集める |
| 記録 | 発言、背景、顧客の属性を残す |
| 整理 | 内容を分類し、頻度を数える |
| 活用 | 優先順位を付けて、改善に反映する |
| 還元 | 改善した内容を、顧客に伝える |
整理の際の要点は次の通りです。
- 発言そのもの(事実)と、それに対する解釈を分けて書く。
- 発言の背景(なぜそう言ったのか、どんな状況か)を確認する。
- 同様の声がどのくらいの頻度で出るかを記録する。
- 声の大きさでなく、顧客の課題の重さと、事業への影響で優先する。
「機能を追加してほしい」という要望の裏には、別の課題があることがあります。要望の通りに作る前に、その背景にある課題を確認すると、より本質的な解決策が見つかることがあります。
実務での使い方・具体例
架空のサービスで、サポートの記録、営業の商談の記録、アンケートの自由記述を、一つの表にまとめるとします。各声に、顧客の規模や、契約の期間などの属性を付けます。
月に一度、声を分類して、頻度を集計します。「レポートの出力が分かりにくい」という声が多いと分かれば、その声が出た顧客の状況を調べ、具体的にどんな場面で困っているのかを、数名に聞き取ります。
改善の優先順位は、声の数、顧客の継続への影響、対応の難しさで決めます。改善を実施した後は、その顧客に連絡し、改善の内容を伝えます。声が届いたと感じてもらえると、顧客との関係が深まります。
声の偏りへの注意
声を上げる顧客は、全体の一部です。静かに離れる顧客の声は、集まりにくい傾向があります。解約した顧客への聞き取りや、利用が少ない顧客への連絡も行うと、声の偏りを補えます。
共有の仕組み
集めた声を、営業、開発、サポートの間で共有する場を設けます。月に一度、声の傾向と、改善の進み具合を報告する会議を行うと、顧客の声が組織の判断に反映される流れができます。
よくある誤解と注意点
- 声の大きい顧客の意見だけで、判断しないでください。 全体の傾向と、事業への影響を見ます。
- 要望をそのまま実現しても、課題が解決するとは限りません。背景を確認します。
- 集めて満足し、活用しないと、顧客の信頼を損ないます。
- 発言を記録する際は、個人が特定されないよう、取り扱いに配慮します。
関連用語
- NPS(ネット・プロモーター・スコア):顧客の推奨意向を測る指標。
- CSAT(顧客満足度):顧客の満足度を測る指標。
- 顧客ヒアリング(カスタマーインタビュー):顧客から直接話を聞く方法。
- カスタマーサポート:顧客の声が集まる窓口。
- ペルソナ:顧客像を具体的に描く方法。
Otsumuに相談できること
顧客の声を、改善の判断に活かす仕組みづくりが重要です。聞き取りの設計や、整理と優先順位づけの方法を、一緒に検討できます。 Otsumuでは、指標の定義づけや計測の整え方を KPI設計のご支援 としてご相談いただけます。まだ考えが固まっていない段階でも構いませんので、状況の整理から 30分の無料相談 をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04