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BtoBサイトの問い合わせを増やす:導線と資料請求の改善方法

BtoBサイトの問い合わせを増やすには、アクセスを増やす前にサービスページ・事例・資料請求・フォームの導線を点検するのが近道です。離脱箇所の見つけ方、改善の優先順位、計測の整え方を手順でまとめました。

BtoBサイトの問い合わせを増やすとき、最初にやるべきことは広告や記事でアクセスを増やすことではありません。すでに来ている訪問者が「問い合わせよう」と思うまでの道筋、つまりサービスページ、事例、資料請求、フォームの導線に詰まりがないかを確かめることです。訪問者が足りないのか、来ているのに問い合わせまで進めていないのかで、打つべき手はまったく変わります。

BtoBの検討は、担当者が情報を集め、社内で比較・相談し、上長の了承を得てから問い合わせるという段階を踏みます。そのため「今すぐ相談したい人」だけに向けた導線では取りこぼしが大きく、まだ比較段階の人には資料請求や事例、料金の目安といった「次の一歩」を用意する必要があります。

この記事は、自社サイトからの問い合わせが伸び悩んでいるBtoB企業のマーケティング担当者や経営者に向けて、現状の測り方、導線ごとの改善ポイント、施策の優先順位の付け方、よくある失敗を順に解説します。読み終えるころには、自社サイトのどこから手をつけるべきかを判断できるはずです。

BtoBサイトで問い合わせが増えない原因は「導線の詰まり」が多い

問い合わせが少ないと感じたとき、原因は大きく三つに分けられます。一つ目は訪問者そのものが少ない、二つ目は訪問者はいるが検討に必要な情報が足りず離れていく、三つ目は問い合わせようと思ったのにフォームや連絡手段で脱落している、です。

多くのBtoBサイトで見落とされやすいのは二つ目と三つ目です。たとえばサービスページに機能の説明はあっても「どんな会社のどんな課題に向いているか」が書かれていない、導入までの流れや費用の決まり方が分からない、事例ページが一覧だけで読み物になっていない、といった状態です。訪問者は社内で説明する材料が得られないため、問い合わせを先送りにします。

三つ目のフォームでの脱落も深刻です。入力項目が多すぎる、必須項目に予算や導入時期が並んでいて答えにくい、送信後に何が起きるか分からない、といった理由で最後の一歩を踏み出せない人がいます。アクセスを増やしても、この詰まりがある限り問い合わせは比例して増えません。

まずは自社サイトがどの状態にあるのかを数字で確かめましょう。考え方はファネル分析のやり方と同じで、訪問から問い合わせ完了までを段階に分け、どこで大きく減っているかを見ます。

問い合わせまでの導線を段階に分けて現状を測る

BtoBサイトの導線は、おおむね次の段階に分けられます。段階ごとに人数を出すと、改善すべき場所が見えてきます。

段階見る数字詰まっているときの兆候
流入訪問数、流入経路別の訪問数指名検索以外の流入がほとんどない
サービス理解サービスページの閲覧数、スクロール到達トップページだけ見て離脱する人が多い
比較・検討事例・料金・導入の流れのページ閲覧数事例や料金ページへの遷移がほとんどない
行動の入口問い合わせ・資料請求ボタンのクリック数ボタンは押されるがフォーム到達後に離脱
完了問い合わせ完了数、資料請求完了数フォーム開始に対して完了が極端に少ない

計測にはGA4などのアクセス解析ツールを使います。ページ閲覧だけでなく、ボタンのクリック、フォームの入力開始、送信完了をイベントとして記録しておくと、段階ごとの人数を比較できます。計測の作り方はGA4のイベント設計で詳しく解説しています。

ここで大事なのは、問い合わせと資料請求を分けて数えることです。どちらも「リード」としてまとめてしまうと、検討初期の人が増えたのか、商談に近い人が増えたのかが区別できません。営業から見た価値も違うため、別々の完了イベントとして記録しましょう。

少ないデータでも傾向はつかめる

BtoBサイトは月の問い合わせ件数が数件から数十件ということも珍しくありません。件数が少ないと割合はぶれやすいので、月単位ではなく四半期単位で見る、割合ではなく人数の推移を見る、といった工夫が必要です。また、問い合わせをくれた人に「何を見て問い合わせを決めたか」を聞く一問を営業ヒアリングに加えると、数字では見えない判断材料が分かります。

数える前に「問い合わせ」の中身を仕分ける

フォームから届く連絡には、営業の売り込み、採用への応募、既存顧客からのサポート依頼なども混ざります。これらを含めたまま件数を追うと、本当に増やしたい「新規の相談」の動きが見えません。届いた問い合わせを、新規相談・資料請求・既存顧客・営業や採用・その他のように分類し、新規相談と資料請求だけを改善の対象として数えるようにします。フォームに問い合わせ種別の選択肢を設けておくと、この仕分けが楽になります。

サービスページは「誰のどんな課題を解くか」から書き直す

BtoBサイトで最も読まれるのは、トップページとサービスページです。ここで訪問者が「自分たちのための話だ」と感じられないと、事例やフォームまで進みません。

よくあるのは、機能の一覧や会社の想いから始まるサービスページです。訪問者が知りたいのは、自社の課題が解決できるのか、どんな会社が使っているのか、導入までにどれくらいの手間がかかるのか、という点です。書き直すときは次の順番を意識すると、読み手の疑問に沿った構成になります。

  1. 冒頭で、対象となる企業像と課題を一文で示す(例:「受発注を電話とFAXで処理している中堅卸売業の方へ」)。
  2. 課題が放置されると何が起きるかを、現場の具体的な場面で描く。
  3. サービスで何が変わるかを、作業や数字の変化として示す。
  4. 機能や支援内容を、課題との対応が分かる形で並べる。
  5. 導入の流れと期間の目安、費用が何で決まるかを説明する。
  6. 事例やよくある質問で不安を解消し、問い合わせ・資料請求へ案内する。

料金を明示しにくいサービスでも、「費用は対象範囲と期間で決まる」「最初は小さな範囲から始められる」といった決まり方を書くだけで、問い合わせのハードルは下がります。価格が分からないことは、BtoBの訪問者が離脱する大きな理由の一つです。

架空の例:製造業向け保守サービスの場合

たとえば設備保守サービスを提供する会社のサイトで、サービスページが「24時間対応」「熟練技術者」といった強みの羅列だったとします。これを「設備停止が月に何度も起きて生産計画が崩れている工場の方へ」という書き出しに変え、停止の記録から保守計画を立てる流れ、契約までの手順、契約範囲による費用の決まり方を加えると、訪問者は社内稟議に必要な材料を一ページで集められるようになります。こうした変更は、デザインを作り直さなくても文章の入れ替えだけで試せます。

問い合わせボタンの置き場所と文言

サービスページを書き直したら、問い合わせへの入口の置き方も見直します。ページの最下部にだけボタンがあると、途中で納得した人はスクロールを続けなければならず、そのまま離れてしまうことがあります。冒頭の説明の直後、導入の流れの後、ページ末尾など、読み手が判断を下しやすい区切りごとに入口を置くのが基本です。

ボタンの文言も重要です。「お問い合わせ」だけでは、押した後に何が起きるのかが伝わりません。「導入の相談をする(無料・30分)」「資料をダウンロードする」「費用の目安を聞く」のように、行動とその結果が分かる文言にすると、検討段階の違う訪問者がそれぞれ自分に合う入口を選べます。複数の入口を並べる場合は、検討の深さに応じて「軽い行動」と「重い行動」を区別して見せると迷いが減ります。

また、ページの右下に常に表示されるボタンや、スクロールに追従するバーは便利な反面、本文を読む邪魔になることもあります。スマートフォンで実際にページを読み、本文が隠れていないか、押し間違いが起きないかを必ず確かめましょう。

事例・導入実績ページを検討材料として読める形にする

BtoBの訪問者は、自社と似た会社がどう使ったかを強く気にします。事例ページは問い合わせを後押しする重要なページですが、ロゴと社名の一覧だけでは検討材料になりません。

読まれる事例ページには、次の要素がそろっています。

  • 導入前の状況と課題(業種、規模感、担当部署)
  • 検討時に比較した選択肢と、選んだ理由
  • 導入の進め方と、かかった期間
  • 導入後に変わった業務や判断
  • 担当者が感じた注意点や、うまくいかなかったこと

事例の掲載許可が取りにくい場合は、社名を伏せた形での掲載や、業種と課題だけを示した「よくある導入パターン」として紹介する方法もあります。ただし、実在しない事例を作ることは信頼を損なうので避けてください。

また、事例ページからそのまま問い合わせへ進めるよう、各事例の末尾に「同じような課題をお持ちの方へ」という案内を置くと、読み終えた人が迷わず次の行動に移れます。

資料請求を「比較検討中の人の入口」として設計する

問い合わせは「相談したい」とはっきり決めた人の行動ですが、資料請求は「社内で検討したいので材料がほしい」という段階の人の行動です。BtoBでは後者の人数の方が多いため、資料請求の入口を整えると全体のリード数が増えやすくなります。

資料請求で押さえたいポイントは次のとおりです。

  • 資料の中身を具体的に示す(目次、ページ数、含まれる情報)
  • 社内稟議で使える内容にする(課題の整理、導入の流れ、費用の決まり方、体制)
  • 入力項目を最小限にし、ダウンロードまでの手間を減らす
  • 送信後すぐに資料が届くようにする(メールで送る、画面で表示する)
  • 資料を受け取った人へのフォローの順番を決めておく

資料請求のリードは、すぐに商談になるとは限りません。受け取った人に対して、関連する事例やよくある質問を数回に分けて送る、一定期間後に個別相談を案内するなど、検討段階に合わせたフォローを設計しておくと、後から問い合わせにつながることがあります。資料請求後から商談までの流れの改善は問い合わせからの商談化率を上げる方法でも扱っています。

問い合わせフォームの改善で取りこぼしを減らす

フォームは問い合わせ導線の最後の関門です。ここでの改善は、訪問者を増やす施策よりも少ない手間で効果が出やすい領域です。フォームを見直すときは、次のチェックリストを使ってください。

  • 必須項目は、最初の連絡に本当に必要なものだけか
  • 予算・導入時期など答えにくい項目が必須になっていないか
  • 問い合わせの種類(相談・見積もり・資料・その他)を選べるか
  • 入力エラーが送信後ではなく入力中に分かるか
  • スマートフォンで入力しやすいか(入力欄の大きさ、キーボードの種類)
  • 送信後に「いつ、誰から、どんな連絡が来るか」を表示しているか
  • 自動返信メールが届き、内容の控えが残るか
  • フォーム以外の連絡手段(電話、オンライン相談の予約)があるか

特に効果が出やすいのは、必須項目の削減と、送信後の流れの明示です。営業側が「事前に予算を知りたい」と考えて項目を増やしがちですが、その情報は最初の打ち合わせで聞けば十分なことが多いものです。営業と話し合い、最初の連絡に不可欠な項目と、後から聞けばよい項目を分けましょう。

オンライン相談の予約という選択肢

問い合わせフォームに加えて、日時を選んで相談を予約できる導線を用意する方法もあります。メールのやり取りを経ずに日程が決まるため、検討意欲の高い人を逃しにくくなります。一方で、予約枠の管理や当日の対応体制が必要になるので、営業の人数と相談の件数を見て導入を判断します。

改善施策の優先順位を決める

改善のアイデアは多く出ますが、すべてを同時に進めると何が効いたのか分かりません。施策ごとに「影響の大きさ」「確からしさ」「手間」を比べ、優先順位を付けてから順番に進めます。

施策影響の大きさ手間着手の目安
フォーム項目の削減・送信後の案内大きい小さい最初に着手
サービスページ冒頭の書き直し大きい中程度フォームの次
事例ページの読み物化中程度中程度事例の素材がそろったら
資料請求の新設・資料の作り直し大きい大きい比較段階の訪問者が多い場合
記事・広告による流入増加状況次第大きい導線の詰まりを解消した後

優先順位を付ける考え方はCVR改善の進め方でも詳しく説明しています。BtoBサイトは問い合わせ件数が少ないため、A/Bテストで厳密に比較するのが難しいことがあります。その場合は、変更前後の一定期間を比べる、変更内容を記録しておく、営業からの定性的な声も合わせて判断する、といった方法で効果を見極めます。

問い合わせ改善の進め方:4週間の手順

ここまでの内容を、実際に動かす手順としてまとめます。小規模なチームでも進められるよう、4週間を一つの区切りにしています。

  1. 1週目:問い合わせ・資料請求・フォーム開始・主要ボタンのクリックが計測できているかを確認し、足りないイベントを追加する。直近の問い合わせ内容と経路を営業から集める。
  2. 1週目:導線の各段階の人数を出し、最も減少の大きい段階を特定する。
  3. 2週目:フォームのチェックリストを確認し、必須項目の削減と送信後の案内を実施する。
  4. 2週目:サービスページの冒頭と構成を見直し、対象企業・課題・導入の流れ・費用の決まり方を加える。
  5. 3週目:事例ページの末尾に問い合わせへの案内を加え、事例が少ない場合は追加の取材や匿名掲載を検討する。
  6. 3週目:資料請求の有無と中身を見直し、比較段階の訪問者向けの入口を整える。
  7. 4週目:変更前後の各段階の人数と、問い合わせの質(商談化した件数)を比べ、次の施策を決める。

改善の結果は、問い合わせの件数だけでなく「商談につながったか」まで追いかけることが重要です。件数が増えても営業対象にならない問い合わせばかりなら、ページの対象設定を見直す必要があります。

よくある失敗とその避け方

問い合わせを増やす取り組みでよく見られる失敗と、その避け方をまとめます。

流入を増やすことから始めてしまう。 広告や記事で訪問者を増やしても、導線に詰まりがあれば問い合わせは増えません。先に導線の各段階の数字を見て、詰まりを解消してから流入施策に投資しましょう。

問い合わせ件数だけを目標にする。 フォームのハードルを下げすぎると、営業対象外の問い合わせや売り込みが増えることがあります。件数とあわせて、商談化した件数や受注につながった件数を見て、質も確かめます。

一度に多くの変更を入れる。 デザイン、文章、フォームを同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。変更内容と日付を記録し、可能な範囲で一つずつ効果を確かめましょう。

営業部門と連携しない。 フォームの項目や資料の中身は、営業が商談で使う情報と密接に関わります。マーケティングだけで決めず、営業と「最初の連絡に何が必要か」「どんな問い合わせが商談になりやすいか」を共有して設計します。

サイトの更新が止まる。 事例や導入の流れが古いままだと、訪問者は今も同じサービスを提供しているのか不安になります。四半期に一度など、更新の担当と周期を決めておきましょう。

よくある質問

Q. アクセス数が少ないサイトでも導線改善から始めるべきですか?

アクセスが極端に少ない場合でも、まずはフォームとサービスページの点検をおすすめします。手間が小さく、今いる訪問者からの問い合わせを取りこぼさないための施策だからです。そのうえで、流入経路を増やす施策(記事、広告、展示会からの誘導など)を並行して検討します。

Q. 料金を公開していないと問い合わせは減りますか?

具体的な金額を公開できなくても、費用が何で決まるか、最小の始め方は何か、見積もりまでの流れはどうかを示すだけで、訪問者の不安は大きく減ります。料金の公開範囲は営業方針と合わせて判断しましょう。

Q. 資料請求と問い合わせ、どちらを優先して増やすべきですか?

営業の体制と商材の検討期間によります。検討期間が長く比較される商材なら資料請求の入口を整える効果が大きく、検討期間が短く緊急性が高い商材なら問い合わせや相談予約の導線を優先します。両方を計測し、どちらが商談につながりやすいかを見て配分を決めます。

Q. 改善の効果はどれくらいの期間で判断できますか?

問い合わせ件数が少ないサイトでは、数週間では偶然のぶれと区別できないことがあります。少なくとも一か月から一四半期の推移を見て、フォーム開始数やボタンのクリック数など件数の多い中間指標も合わせて判断すると、早めに傾向をつかめます。

Otsumuに相談できること

フォーム項目の削減やサービスページの書き直しは、社内の担当者だけでも十分に進められます。計測が整っていて、導線のどこで減っているかが数字で分かっているなら、この記事の手順に沿って一つずつ改善していくのが最も確実です。外部に頼む前に、まず4週間の手順を試してみてください。

一方で、計測の仕組みがなく段階ごとの人数が出せない、営業とマーケティングで見ている数字が違って議論がかみ合わない、改善を続けても問い合わせの質が上がらない、といった状況では、外部の視点を入れた方が早く進むことがあります。問い合わせから商談、受注までを一つの流れとして見直す必要があるケースも同様です。

OtsumuのKPI改善コンサルティングでは、問い合わせから受注までの指標を整理し、計測の設計、ボトルネックの特定、改善施策の優先順位付けと実行までを一緒に進めます。自らも事業を手がける立場から、営業とマーケティングの両方が使える指標の形に落とし込むことを重視しています。フォームや資料請求の仕組みの改修が必要な場合は、システム開発としてあわせてご相談いただけます。

自社サイトのどこから手をつけるべきか判断に迷う場合は、30分の無料相談で現状を伺い、優先すべき改善点を整理するところからお手伝いします。

この記事について

Otsumu株式会社が執筆しました。統計値や他社の事例には依拠せず、進め方と判断の枠組みを中心にまとめています。法務・税務・会計などの制度は、専門家や公的窓口で最新の情報をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01

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