分類:企業事例 › 機械・素材・航空宇宙
この事例の要点
- ニシオホールディングスは、西尾レントオールなどのグループ会社を通じて建設・設備工事用機器やイベント用機材を貸し出し、レンタル関連事業が連結売上高の大半を占めます。
- 設備投資の総額はEBITDAの金額を上限とし、投資回収率(レンタル収入÷レンタル資産取得価額相当額)は24〜25%を目標としています。
- 公共投資の予算執行の時期の影響で、上期に売上・利益が偏る傾向があると説明しています。
どんな事業か
同社グループは、持株会社と子会社43社、関連会社1社で構成されています(2025年9月期 有価証券報告書)。主な事業は、土木・道路用機械、高所作業用機械、建築用機械、測量機器などの建設・設備工事用機器と、イベント用関連機材などの賃貸・販売です(2025年9月期 有価証券報告書)。
沿革によると、1965年に道路機械のレンタルを始め、2023年4月に持株会社体制へ移ってニシオホールディングスに商号を変更しました(2025年9月期 有価証券報告書)。海外でも、オーストラリア、タイ、マレーシア、ベトナム、シンガポールなどの子会社が機器の賃貸・販売を行っています(2025年9月期 有価証券報告書)。
貸す相手は工事会社やイベントの主催者などです。機械を買うのではなく、必要な期間だけ使いたいという需要に応える事業だと読めます。
収益の仕組み
同社は機械を自社で購入して保有し(貸与資産)、期間を区切って貸し出してレンタル料を受け取ります(2025年9月期 有価証券報告書)。建設機械のオペレーション、運送、工事用の電気設備工事など、レンタルに付随する事業も持っています。
同社は、レンタル業はストックビジネスで固定資産の比重が高いと説明したうえで、投資の規律を次のように記載しています(2025年9月期 有価証券報告書)。
- 設備投資の総額は、EBITDAの金額を上限とする
- 投資効率の指標として投資回収率(レンタル収入÷レンタル資産取得価額相当額)を重視し、24〜25%を目標とする
数字で確かめる
- 2025年9月期の連結売上高は2,149億54百万円(前期比8.0%増)、営業利益は196億2百万円、EBITDAは581億10百万円(2025年9月期 有価証券報告書)。営業利益とEBITDAの開きから、減価償却の負担が大きい事業であることが読み取れます。
- レンタル関連事業の売上高は2,071億57百万円(2025年9月期 有価証券報告書)。付随事業を含め、レンタルが事業の中心であることが読み取れます。
- 貸与資産の保有高(取得価額)は2025年9月末で2,638億88百万円、同期の貸与資産の購入実績は323億20百万円(2025年9月期 有価証券報告書)。購入額がEBITDAの範囲に収まっており、記載された上限の考え方と整合していると読み取れます。
- 営業キャッシュ・フローの説明では、減価償却費336億3百万円と、賃貸資産の取得による支出192億65百万円が挙げられています(2025年9月期 有価証券報告書)。利益だけでなく現金の動きで見る必要がある事業だと読み取れます。
- 2025年9月期は中間期の売上高が通期の51.9%、営業利益が58.3%(2025年9月期 有価証券報告書)。売上よりも利益のほうが上期に偏りやすいことが読み取れます。
Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか
ここからはOtsumuの考察です。レンタル・リースの型は、買った資産を何度も貸して、取得にかけた金額を上回るレンタル料を回収することで成り立つと考えられます。同社が投資回収率を指標にしているのは、この関係をそのまま数字にしたものだと読めます。
ただし、資産が収入を生むのは貸し出されている時間だけです。返却から次の貸出までの間には、移送、点検、整備、保管の時間があり、その間も費用はかかります。Otsumuは、レンタル事業の採算を左右するのは、購入価格よりも、利用のない時間と、移送や整備にかかる手間だと見ます。同社が運送やオペレーションなどの付随事業を持っていることも、この裏側の仕事の大きさと関係していると考えられます。
トレードオフは、品ぞろえと稼働のバランスです。機材の種類と台数を増やせば顧客の要望に応えやすくなりますが、稼働しない資産も増えます。資産の購入価格だけでレンタル料金を決めると、移送や整備の費用、貸せない期間の分を取りこぼすおそれがあると考えられます。
自社事業に持ち帰る問い
- 貸し出す資産ごとに、貸出中の時間と、移送・点検・保管で貸せない時間を分けて把握できていますか。
- レンタル料金は、資産の購入価格だけでなく、移送、整備、貸せない期間の費用を含めて決めていますか。
- 資産への投資額に、同社のような上限や回収の目標を置いていますか。置くとすれば、何を基準にしますか。
- 需要が特定の時期に偏る場合、偏りの小さい用途や顧客を組み合わせる余地はありますか。
小さく試すなら
- 機材を一種類に絞り、貸出、返却、移送、点検、次の貸出までの日付と作業時間を、一台ごとに記録する表を用意します。
- 2〜4週間記録を続け、保有していた日数のうち、貸出中、移送中、点検・整備中、待機中がそれぞれどれだけあったかを集計します。
- 移送と点検にかかった費用と時間を一回の貸出当たりに直し、今の料金で回収できているかを確かめます。回収できていなければ、料金か、貸出の最短期間か、配送の条件のどれを変えるかを検討します。
- 待機の理由を「需要がない」「整備待ち」「移送待ち」に分けます。需要以外の理由が多ければ運用の改善を、需要がない時間が多ければ台数や対象顧客の見直しを先に行います。
資料の位置づけ
企業・サービス:ニシオホールディングス株式会社 / 建設・設備工事用機器とイベント用機材のレンタル(西尾レントオールほか)。参照資料の対象:2025年9月期 有価証券報告書。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。
参考資料と編集について
zigyo.ai の関連ナレッジ ↗をもとに、Otsumuが検証・実装・運用の観点から再編集しました。制度・仕様・サービスの現況は、各提供元の最新情報をご確認ください。
編集:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.20