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福利厚生代行サービス「福利厚生倶楽部」

リログループの「福利厚生倶楽部」は、企業から会費を受け取り、その従業員と家族に宿泊や育児・介護などのサービスを提供します。お金を払う企業と使う個人が分かれる事業で、法人の更新判断と個人の利用の両方をどう測るかを考えられる事例です。

分類:企業事例 › 教育・人材・BtoB

この事例の要点

  • 「福利厚生倶楽部」は企業が入会し、その従業員と家族が利用する福利厚生代行サービスで、1993年9月に始まりました。
  • 福利厚生事業の会員数は2026年3月末で732万人(OEMとCRMを除く)、導入企業数は約1万3千社です。
  • フルプランの会員は364万人から352万人に減り、同社は人数の多い1社の退会が影響したと説明しています。会員数は法人の契約1件で大きく動きます。

どんな事業か

リログループは、事業をアウトソーシング事業、賃貸管理事業、観光事業などに区分しています。アウトソーシング事業は福利厚生事業、借上社宅管理事業、海外赴任支援事業で構成され、福利厚生事業では「企業の業務負担とコストを軽減し様々なコンテンツを従業員へ提供する福利厚生代行サービス」や、「提携企業向けに顧客特典代行サービス」などを提供していると記載しています(2026年3月期 有価証券報告書)。沿革によると、「福利厚生倶楽部」は1993年9月に始まりました(2026年3月期 有価証券報告書)。

契約するのは企業で、サービスを使うのはその従業員と家族です。決算説明会資料の図では、企業が「福利厚生倶楽部」に入会し、従業員・家族が利用し、宿泊施設やグルメ、育児・介護、資格講座などのサプライヤーがサービスを提供する関係が示されています(2026年3月期 決算説明会資料)。

同じ資料には、提携企業の顧客向けに優待を提供する顧客特典代行サービス(CRM、「クラブオフ」)も掲載されています(2026年3月期 決算説明会資料)。届け先が従業員ではなく企業の顧客である点が違いますが、企業を経由して個人に届ける構造は共通です。

収益の仕組み

収益の土台は、企業から受け取る会費です。有価証券報告書は、同期のアウトソーシング事業について「福利厚生代行サービスにおける会員の新規獲得が進み、会費収入が増加した」と説明しています(2026年3月期 有価証券報告書)。

加えて、2026年5月14日の決算説明会では、会員1人当たりの会費収入は上げにくいものの、利用に関する収入を伸ばすことで売上を伸ばしていると説明しています(2026年3月期 決算説明会 書き起こし)。会費という人数に連動する部分と、利用に連動する部分の二つがある、ということです。費用の内訳は今回参照した公開資料に記載がないため、ここでは扱いません。

お金を払う人・対価企業:会費(会員の人数に連動)利用に連動する収入福利厚生代行サービス
図1 福利厚生倶楽部の収益の流れ(有価証券報告書・決算説明会資料にもとづく整理)。

数字で確かめる

  • 2026年3月期の連結売上収益は1,510億74百万円です。アウトソーシング事業は売上収益807億69百万円(前期比8.8%増)、営業利益228億99百万円です(2026年3月期 有価証券報告書)。福利厚生を含むこの事業がグループの中で大きな利益を生んでいることが読み取れます。
  • 福利厚生事業の会員数は2026年3月末で732万人(OEMとCRMを除く)、前期比4.5万人増、導入企業数は約1万3千社です(2026年3月期 決算説明会資料)。
  • フルプランの会員は364万人から352万人に減り、ライトプランは363万人から380万人に増えました。フルプランの減少には人数の多い1社の退会が影響したと説明しています(2026年3月期 決算説明会 書き起こし)。法人の契約1件が会員数を大きく動かすこと、また増加がライトプラン側に寄っていることが読み取れます。
  • 同社は、競合他社との競争が激しくなっていると説明しています(2026年3月期 決算説明会資料)。
  • 中期経営計画では、2029年3月期に福利厚生事業で営業利益220億円、福利厚生会員数1,000万人を目標としています。会員数を現在の水準から大きく伸ばす計画であることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。BtoBtoCとサブスクリプションを組み合わせたこの型では、契約する企業と実際に利用する人が異なります。企業は「従業員の満足や採用に役立つか」「自社で運営する手間が省けるか」で更新を判断し、従業員は使いたいメニューがあるかで利用を決めます。Otsumuは、企業の更新判断と利用者の便益を別々の指標で測らなければ、この型の事業の状態は分からないと見ます。

裏側で必要になる仕事は三つあると考えられます。サプライヤーを集めて割安な条件を取り付ける仕事、従業員に利用を案内する仕事、そして企業の担当者に利用の状況を報告する仕事です。三つ目は見落とされやすいものの、企業が更新を判断する材料になるため重要だと考えられます。ただし、誰が何を使ったかは従業員の個人的な情報であり、企業に渡す情報の範囲は慎重に決める必要があります。

トレードオフは、法人契約の効率と集中のリスクです。1件の契約で多数の会員を得られる反面、1件の退会で多数を失います。また、会費の単価を上げにくいという同社の説明からは、競争の中で価格が上がりにくく、利用に連動する収入をどう育てるかが次の論点になっていると読めます。

自社事業に持ち帰る問い

  • お金を払う人と使う人が分かれる場合、それぞれが「続けたい」と思う理由を別々に言えますか。
  • 契約法人の担当者は、更新の稟議で何を根拠として示す必要がありますか。自社はその材料を提供できていますか。
  • 大口の契約1件が解約された場合、会員数と売上はどれだけ動きますか。
  • 利用者の情報のうち、契約企業に報告してよい範囲を決めていますか。

小さく試すなら

  1. 協力してくれる企業を一社決め、従業員への利用案内の方法(社内メール、説明会、チャットなど)と、案内する内容を担当者と一緒に設計します。
  2. 2〜4週間程度、案内から初回利用までの流れを観察します。案内を見た人数、登録した人数、初回の利用に至った人数と、途中で止まった理由を記録します。
  3. 企業の担当者に渡す報告の形を試作します。個人が特定されない集計の単位にとどめ、どの範囲の情報なら従業員が安心でき、担当者が更新の判断に使えるかを双方に確認します。
  4. 初回利用に至る割合と、担当者が「これがあれば社内で説明できる」と言う報告内容が分かれば、二社目以降へ広げます。利用が進まない場合は、メニューの問題か案内の問題かを切り分けてから次へ進みます。

資料の位置づけ

企業・サービス:株式会社リログループ / 福利厚生代行サービス「福利厚生倶楽部」。参照資料の対象:2026年3月期 有価証券報告書、2026年3月期 決算説明会資料。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

zigyo.ai の関連ナレッジ ↗をもとに、Otsumuが検証・実装・運用の観点から再編集しました。制度・仕様・サービスの現況は、各提供元の最新情報をご確認ください。

編集:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.20

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