BtoBtoC(B2B2C)とは
BtoBtoCとは、ある企業が、取引先の企業を通じて、その先にいる一般消費者に商品やサービスを届けるビジネスモデルのことです。
最初の「B」が商品やサービスを提供する企業、真ん中の「B」がそれを使って自社の顧客にサービスを提供する企業、最後の「C」が実際に使う消費者です。たとえば、飲食店向けに予約・会員アプリの仕組みを提供し、その飲食店の来店客がアプリを使う、という形が当てはまります。
Business to Business to Consumer の略で、B2B2Cと書かれることもあります。企業向けのBtoBと、消費者向けのBtoCの要素をあわせ持っているのが特徴です。
仕組み・ポイント
BtoBtoCでは、お金を払う相手と、実際に使う相手が異なることが多くあります。
| 立場 | 役割 | 求めていること(例) |
|---|---|---|
| 提供企業(最初のB) | 仕組みや商品を提供する | 導入企業を増やし、継続してもらう |
| 導入企業(真ん中のB) | 自社の顧客にサービスを届ける | 売上向上、業務効率化、顧客満足 |
| 消費者(C) | 実際にサービスを使う | 便利さ、お得さ、安心感 |
この構造の特徴は、提供企業が二種類の顧客を満足させる必要があることです。導入企業が「導入してよかった」と感じても、消費者が使わなければ効果が出ず、やがて解約されます。逆に、消費者に人気でも、導入企業の業務負担が重ければ導入が広がりません。
主なパターン
- 業務システム型:店舗やクリニック向けの予約システム、会員証アプリなど
- 福利厚生型:企業が従業員向けに導入する健康管理、学習サービスなど
- 金融・保険の組み込み型:ECや業務システムに、決済、後払い、保険などを組み込む
- 商品の供給型:メーカーが小売企業を通じて消費者に商品を届ける
実務での使い方・具体例
架空の例として、スポーツジム向けに会員管理とトレーニング記録のアプリを提供する事業を考えます。ジムが導入企業、会員が消費者です。事業設計では次の点を検討します。
- 誰が料金を払うかを決める:ジムの月額利用料か、会員からの課金か、両方か
- 導入企業の価値を明確にする:退会防止、受付業務の削減、追加販売の機会など
- 消費者の価値を明確にする:記録の手軽さ、予約のしやすさ、モチベーションの維持
- 導入企業のブランドをどう扱うかを決める:自社ブランドで出すか、ジムのブランドで出すか
- 消費者のデータの扱いを決める:誰がデータを管理し、何に使えるかを契約と利用規約で明確にする
この事業では、ジムが会員にアプリを使ってもらうための促進活動が欠かせません。提供企業は、会員への案内用の資料や店頭のポスター、入会時の登録手順を用意するなど、導入企業が消費者に広めるのを支援する必要があります。
料金の設計にも工夫が必要です。導入企業から月額料金を受け取る形は分かりやすい一方、消費者の利用が少ないと「使われていないのに払っている」と感じられ、解約につながります。消費者の利用量や、導入企業の売上に連動する料金を組み合わせると、提供企業と導入企業の利害がそろいやすくなります。どの形が受け入れられるかは、導入企業への複数のヒアリングで確かめておきます。
また、成果の指標を二重に持つことが重要です。導入企業の数や継続率だけでなく、導入企業ごとに消費者がどれだけ使っているかを見ます。消費者の利用が少ない導入企業は、将来の解約予備軍になります。
よくある誤解と注意点
- 導入企業に売れば終わり、ではない:消費者に使われなければ価値が生まれず、継続されません。
- ブランドの扱いを決めていない:提供企業の名前を出すか、導入企業の名前で出すかで、消費者との関係が大きく変わります。
- 個人情報の扱いが曖昧:消費者のデータを誰が管理し、どこまで利用できるかを明確にします。法令の解釈は専門家に確認してください。
- 導入企業ごとのカスタマイズが増える:個別対応を重ねると製品として維持できなくなります。標準機能と個別対応の範囲を決めておきます。
- 問い合わせ窓口が混乱する:消費者からの問い合わせを誰が受けるのか、事前に役割を決めておきます。
関連用語
- D2C(Direct to Consumer):仲介する企業を通さず、消費者に直接届けるモデル
- ホワイトラベル:導入企業のブランドで提供する、BtoBtoCでよく使われる形態
- マーケットプレイス:複数の利用者グループをつなぐ、関連するビジネスモデル
- マルチテナント:複数の導入企業が一つのシステムを共有する構成
実践記事:プラットフォームビジネスの設計
Otsumuに相談できること
BtoBtoCの事業は、導入企業と消費者の両方にとっての価値を設計し、それぞれで検証する必要があります。事業の設計と検証は新規事業開発コンサルティングで、複数の導入企業が使うシステムの開発はSaaS開発や会員サイト開発でご一緒できます。
まずは30分の無料相談で、構想中の事業についてお聞かせください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.01