ABMとは
ABMとは、狙う企業(アカウント)を絞り、その企業ごとに営業とマーケティングが連携して、個別に働きかける手法です。
平たく言えば、「多数に広く」ではなく、「重要な数社に深く」アプローチする考え方です。法人向けで、一件あたりの契約規模が大きく、関係者が多い事業で使われます。
ABMはAccount Based Marketingの略で、アカウントとは、個人ではなく企業や組織を指します。
仕組み・ポイント
ABMの進め方は、企業の選定から始まります。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 選定 | 課題と適合し、取引の価値が見込める企業を選ぶ |
| 理解 | 企業の事業、課題、組織、関係者を調べる |
| 設計 | 関係者ごとに、伝える内容と接点を決める |
| 実行 | 営業とマーケティングが連携して働きかける |
| 評価 | 企業単位で、関係の深まりと商談の進展を見る |
特徴は、見る単位が個人のリードでなく企業であることです。たとえば同じ企業の複数の担当者が資料を見ていることが分かれば、企業全体の関心が高まっていると判断できます。
注意点は次の通りです。
- 選ぶ企業の数を絞る(手間をかけられる数に限る)。
- 営業とマーケティングが、同じ企業の一覧と目標を共有する。
- 企業内の関係者(担当者、決裁者、利用者)を把握する。
情報の収集は、公開されている情報の範囲で行い、プライバシーに配慮します。
実務での使い方・具体例
架空のサービスで、重点とする企業を二十社選びます。各社について、公開情報から事業の方向性や課題の仮説を整理し、担当する営業を決めます。
その企業の決裁者には経営の課題に沿った情報、現場の担当者には使い方に近い情報を、それぞれ届けます。営業は面談の機会を探り、マーケティングは企業向けの招待や、個別に合わせた資料を準備します。
月に一度、企業ごとの状況(誰と会えたか、関心はどこにあるか)を共有し、次の手を決めます。数か月たっても動きがない企業は、理由を確認したうえで、対象から外すか、アプローチの方法を変えます。
向かない場合
顧客の数が多く、一件あたりの契約規模が小さい事業では、企業ごとに個別の働きかけをする手間が見合いません。そのような場合は、広く情報を届ける方法のほうが合います。事業の収益構造に照らして、手間と効果が釣り合うかを先に確認します。
成果の測り方
個々のリードの数ではなく、重点企業ごとに、会えた関係者の数、商談への進展、契約の状況を追います。企業単位の進捗を営業とマーケティングで共有する画面や表を一つ決めておくと、連携がしやすくなります。
よくある誤解と注意点
- 対象の企業を増やしすぎると、ABMの意味が薄れます。 深く関われる数に限定します。
- 営業とマーケティングが別々に動くと、同じ企業に重複して連絡します。
- 企業の選定が間違っていると、成果が出ません。顧客として望ましい特徴を、既存の顧客から学びます。
- 短期で結果が出るとは限りません。関係を築く期間を見込みます。
関連用語
- アウトバウンドマーケティング:企業側から接触する活動。
- インサイドセールス:非対面で接点づくりを担う役割。
- フィールドセールス:商談を進める営業の役割。
- パイプライン:案件の進み具合を管理する流れ。
- MQL・SQL:営業とマーケティングの引き渡し基準。
Otsumuに相談できること
重点企業の選び方と、営業とマーケティングの連携の設計は、事業の特性に左右されます。対象の条件づくりから、一緒に検討できます。 Otsumuでは、指標の定義づけや計測の整え方を KPI設計のご支援 としてご相談いただけます。まだ考えが固まっていない段階でも構いませんので、状況の整理から 30分の無料相談 をご利用ください。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04