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Klaviyo, Inc.「Klaviyo」に学ぶ顧客データと配信量で課金するB2C CRMの事業設計

Klaviyoは、ネット販売事業者の顧客データと購買履歴を1か所にまとめ、メール・SMSなどの配信を自動化するCRMです。席数ではなく顧客プロファイル数と配信量で課金する設計を、2025年12月期のForm 10-Kから確かめます。

分類:企業事例 › ソフトウェア・SaaS

この事例の要点

  • Klaviyo, Inc.は、消費者の属性とイベントのデータを統合する「Klaviyo Data Platform」を土台に、マーケティング、カスタマーサービス、分析を提供するB2C向けのCRMです(Form 10-K、2025年12月期)。
  • 料金は席数ではなく、アクティブな消費者プロファイルの数と、メール・SMS・WhatsAppの配信量などで段階化されています(Form 10-K、2025年12月期)。
  • 2025年12月31日時点で顧客は193,000社超、売上高は1,234.0百万米ドルです(Form 10-K、2025年12月期)。

どんな事業か

Klaviyo, Inc.は米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置き、Series A普通株式をニューヨーク証券取引所(ティッカー:KVYO)に上場しています。自社を、消費者の属性や行動のデータを統合する「Klaviyo Data Platform」を土台にしたB2C CRMと説明しています(Form 10-K、2025年12月期)。

顧客は起業家、中小企業、ミッドマーケット、大企業と幅広く、2025年12月31日時点で193,000社超です(2024年12月31日時点は167,000社)。サードパーティとの連携やデータソースは350超で、Shopify、WooCommerce、Magento(Adobe)、BigCommerce、Salesforce Commerce Cloudなどのコマース基盤との提携を挙げています。2022年7月にShopifyとの戦略的提携を取り交わし、Shopify Plus加盟店への推奨メールソリューションになったと記載しています。従業員数は2,368人です(Form 10-K、2025年12月期)。

収益の仕組み

売上は、プラットフォームのサブスクリプションが中心です。専門的なサービスによる売上は、わずかな割合とされています(Form 10-K、2025年12月期)。

  • 入り口:無料の枠または有料プランから始められます。ネット販売基盤との連携で、顧客データを取り込みやすくしています。
  • 課金:アクティブな消費者プロファイルの数と、メール・SMS・WhatsAppの配信量、カスタマーサービスのチケットや会話の数に応じて段階化しています。席数課金ではないと明記されています。大半のプランは月額契約です。
  • 継続・拡張:Customer Agent、Marketing Agent、Marketing Analytics、Advanced KDP、Reviewsなどのアドオンや用途を追加できます。

数字で確かめる

  • 売上高:1,234.0百万米ドル(2025年12月期)、前期の937.5百万米ドルから31.6%増(Form 10-K)。2023年12月期は698.1百万米ドルで、2年連続で3割台の成長が続いていることが読み取れます。
  • 売上総利益率:74.7%(2025年12月期)、前期は76.4%(Form 10-K)。配信や基盤の原価がかかる事業で、粗利率は7割台を保っていることが読み取れます。
  • ダラーベースのネット・レベニュー・リテンション:110%(2025年12月31日)、前年は108%(Form 10-K)。既存顧客の売上が、解約を差し引いても増えていることが読み取れます。
  • 年間経常収益(ARR)5万米ドル超の顧客:3,912社(2025年12月31日)、前年の2,850社から37%増(Form 10-K)。大口の顧客が増えていることが読み取れます。
  • 当期純損失:31.8百万米ドル(2025年12月期)、前期は46.1百万米ドル(Form 10-K)。売上の拡大とともに赤字が縮小していることが読み取れます。

Otsumuの読み解き:なぜ成り立つのか

ここからはOtsumuの考察です。席数ではなく顧客プロファイル数と配信量で課金する設計は、顧客の売上規模に料金が連動しやすい形と読めます。ネット販売事業者の顧客リストが増え、配信が増えるほど、事業者の売上も増えやすく、料金の上がり方に納得感が生まれやすいと考えられます。

さらに、顧客データを自社の基盤に集めることが、切り替えにくさにつながる可能性があります。購買履歴や行動のデータを蓄積し、そのデータを使った自動配信を設定するほど、他社へ移す作業は重くなるからです。350超の連携は、データを取り込む入口を広げる役割を持つと読めます。ただし切り替えにくさの程度は、今回確認した資料では示されていません。

一方で、粗利率は前期から低下しています。AIエージェントなどのアドオンを広げる局面では、追加の原価をどう料金に反映するかが課題になると考えられます。

自社事業に持ち帰る問い

  • 自社の料金は、顧客の事業が大きくなるほど自然に上がる単位(顧客数・配信数・処理件数など)になっていますか。
  • 顧客が自社のサービスに蓄積しているデータは、他社に移しにくい価値になっていますか。
  • 外部のプラットフォームとの連携は、新規顧客の入り口として機能していますか。

小さく試すなら

  1. 顧客ごとに、料金に連動しうる単位(件数・登録数・利用量)を3つ書き出し、売上との相関を直近12か月分の数字で見ます。
  2. 相関が高い単位で、3段階の料金表の案を作ります。
  3. 既存顧客の2〜3社に案を見せ、「増えても納得できる金額か」を聞きます。
  4. 2〜4週間で、新規の見積もりに限って試験的に使い、受注率と問い合わせの内容を記録します。

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資料の位置づけ

企業・サービス:Klaviyo, Inc. / Klaviyo。参照資料:Form 10-K(2025年12月期)。このページは公開情報にもとづく学習用の分析です。Otsumuの支援実績や当該企業との取引関係を示すものではありません。示唆と検証案はOtsumuの考察であり、企業自身の見解とは区別しています。

参考資料と編集について

上記の公開資料(目論見書・年次報告書・企業の公式発表など)をもとに、Otsumuが執筆しました。数値と企業の説明は資料の記載の範囲にとどめ、Otsumuの考察とは分けています。数値は資料の表記のままで、最新の情報は各社の開示をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.25

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