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顧客インタビューの代行で任せられる作業と、社内に残すべき判断

顧客インタビューの代行には、設計、対象者条件の整理、実施、記録、分析を任せられます。一方で、確かめたい仮説と、結果を受けた判断は社内に残します。依頼前に決めること、依頼先に確認する項目、納品物の見方を整理します。

任せられるのは「作業」、残すのは「仮説と判断」

顧客インタビューやユーザーインタビューの代行を検討するとき、最初に整理したいのは、どこまでを外に出せるかです。結論から言うと、インタビューに関わる設計から分析までの作業は外部に任せられます。任せられないのは二つで、何を確かめたいのかという仮説と、結果を受けて事業をどうするかという判断です。

この二つを外に出してしまうと、きれいな報告書は届いても、社内の誰もその結果で動けません。逆に、この二つさえ社内で持っていれば、実施の手が足りないという理由で検証を先送りする必要はなくなります。

外部に任せられる五つの作業

  • 設計:確かめたい仮説をもとに、聞く順番と質問を組み立てる。誘導にならない聞き方、意見ではなく過去の行動を聞く構成にするには技術が要り、外部の経験が生きる部分です。
  • 対象者条件の整理:誰に聞くべきかを、役職や業種ではなく、行動や状況の条件で定義する。条件に合わない人を除くための事前の確認項目も作ります。
  • 実施:日程の調整、当日の進行、深掘りの質問。社内の人間が聞くと相手が遠慮する場合や、自社の案への思い入れが質問に出てしまう場合は、第三者が聞く利点があります。
  • 記録:録音や録画の同意の取得、発言の記録、発言と解釈を分けた整理。
  • 分析:複数人の発言を横に並べ、仮説ごとに、支持する事実、反する事実、分からなかったことをまとめる。

対象者を集めること(リクルーティング)も依頼できる場合がありますが、対応の可否や方法は依頼先によって異なります。自社の既存顧客や取引先に聞く場合は、社内から声をかけたほうが早く確実です。

質問の組み立て方を社内で理解しておきたい場合は、直近の行動を聞くインタビュー設計と、無料の顧客インタビュー質問集が使えます。

社内に残すこと

確かめたい仮説。どの顧客の、どの場面の、どんな課題を想定しているのか。外部の担当者は整理を手伝えますが、元になる考えは事業の担当者が持っているものです。依頼の時点で文章になっていなくても、口頭で説明できる状態にはしておきます。仮説を確かめられる形に直す方法は課題仮説の書き方にまとめています。

判断基準と判断。インタビューの結果がどうなら次へ進み、どうなら対象や課題を見直すのか。基準の案を外部と一緒に作ることはできますが、合意と最終の判断は社内の責任者が行います。

現場への同席。すべてを任せる場合でも、事業の担当者が何回かは同席する、または録画を見ることを勧めます。要約された報告では、相手の言いよどみや、質問と関係なく出てきた不満など、次の仮説の種になる情報が落ちてしまうためです。

対象者との関係。インタビューの相手は、将来の最初の顧客や協力者になる可能性があります。お礼の連絡や、その後の案内は社内から行えるよう、連絡の同意の取り方を先に決めておきます。

依頼する前に決めておくこと

  1. このインタビューで確かめたい仮説を、三つ程度までに絞る。
  2. 対象者の条件を書く。たとえば、店舗向けの発注支援サービスを検討している場合、「小売業の店長」ではなく「自分で発注数を決めており、直近で欠品か廃棄に困った経験がある人」のように、状況で書きます。条件の考え方は顧客像と利用場面を分けて対象を絞る方法が参考になります。
  3. 対象者に自社から接触できるのか、外部で集める必要があるのかを確認する。
  4. 結果を誰が、いつ、何の判断に使うのかを決める。
  5. 社内から誰が同席するか、開示してよい情報の範囲はどこまでかを決める。

四つ目が決まっていない依頼は、報告書を受け取って終わりになるおそれがあります。判断の場の日程が先にあると、実施の期間や人数も決めやすくなります。

依頼先に確認する項目

  • 設計から分析までのどこを担当し、どこが依頼側の作業になるか。
  • 対象者の募集を行うか。行う場合、条件に合うことをどう確認するか。
  • 募集の費用や対象者への謝礼が、料金に含まれるか別途か。
  • 納品物の形式。発言の記録そのものが渡されるか、要約だけか。
  • 録音・録画・個人情報の取り扱いと、保管・削除の方法。
  • 秘密保持と、インタビューで得た情報の利用範囲。
  • 依頼側の同席が可能か。

個人情報の取り扱いは、取得の目的、保管先、削除の時期まで決めておきます。設計の考え方は個人情報の設計を入力から削除までつなげるを参照してください。法令上の具体的な要件は個別の判断になるため、専門家に最新情報を確認してください。

納品物を受け取ったら確認すること

報告書を読むときは、結論より先に次の点を見ます。

  • 対象者は、依頼時に決めた条件に合っていたか。
  • 発言の事実と、分析者の解釈が分けて書かれているか。
  • 「欲しい」「良いと思う」といった感想ではなく、過去の行動や、現在使っている代替手段が記録されているか。
  • 仮説に反する発言や、想定外の話が省かれずに残っているか。
  • 分からなかったことが明記されているか。

仮説をすべて支持する報告は、読んでいて安心できますが、聞き方や対象者の選び方に偏りがなかったかを確認する理由になります。

よくある質問

Q. 自社で聞くのと、外部に依頼するのは、どちらがよいですか。

条件によります。対象者と関係があり、聞き方に慣れた人が社内にいて、時間も確保できるなら、自社で行うほうが学びは直接得られます。社内の人が聞くと相手が本音を言いにくい、聞き手が自社の案を説明してしまう、兼務で時間が取れない、のいずれかに当てはまるなら、外部に依頼する意味があります。

Q. 依頼する場合、何人に聞けば十分でしょうか。

決まった人数はありません。対象の条件が絞れているほど、少ない人数で傾向が見えます。まず少人数で実施し、同じ話が繰り返されるようになったか、新しい論点が出続けているかを見て、追加するかを決める進め方が無駄がありません。

Q. まだ仮説が固まっていません。その段階でも依頼できますか。

仮説の整理から支援する依頼先であれば可能です。ただし、その場合でも、どの顧客のどんな困りごとに関心があるのか、なぜ自社が取り組むのかは、依頼側から説明する必要があります。口頭で説明できる程度に考えをまとめてから相談すると、設計の時間が短くなります。

Otsumuに相談できること

聞き手と時間が社内にあるなら、顧客インタビュー質問集を使って自社で始められます。設計から分析までを任せたい場合は、Otsumuの顧客検証 Sprintが対応します。4週間で、検証仮説と評価基準、顧客候補の条件・選定方針、インタビュー設計と記録、検証用LPの構成・制作、テストマーケティングの実施・分析、Go / Pivot / Stopの判断資料までをまとめます。参考価格は98万円〜(税別)です。Otsumuの場合、対象者のリクルーティング費、謝礼、広告出稿費は別途となります。秘密保持や成果物の取り扱いは、相談時に確認のうえ合意します。正式な見積もりは相談後にお出しします。

依頼するかどうかを決める前の段階でも、30分の無料診断で、確かめたい仮説と対象者の条件の整理からご相談いただけます。

この記事について

Otsumu株式会社が執筆しました。統計値や他社の事例には依拠せず、進め方と判断の枠組みを中心にまとめています。記載の価格はOtsumuの税別・参考価格で、正式なお見積もりはご相談後にご案内します。法務・税務・会計・補助金などの制度は、専門家や公的窓口で最新の情報をご確認ください。

執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.09.21

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